正解:エ
各選択肢の解説
ア導入時の検証で基準を満たしているので、ずれは一時的なものとみて使い続ける。
誤り。一度の検証で以後も同じ精度が続くという思い込みです。AIの予測は学習した 時期のデータの傾向を前提にしているので、客層や周辺の店舗が変われば当たらなく なります。検証は導入時の1回で終わるものではありません。
イ予測が大きく外れた日の実績を集計から除き、見かけ上の精度を保つようにする。
誤り。都合の悪いデータを取り除く行為で、データの改ざんにあたります。数字の上では 精度が戻りますが、外れた原因はそのまま残り、誤った予測に基づく発注が続きます。 外れた日こそ原因を調べる材料です。
ウ予測の根拠を画面に表示する機能を追加し、精度を確かめる作業の代わりとする。
誤り。これは説明可能なAI(XAI)の考え方で、出力の根拠を人に見える形で示すもの です。根拠が見えることと予測が当たることは別で、根拠を表示しても実績とのずれは 埋まりません。両者は補い合う関係で、置き換えられません。
エ予測と実績のずれを定期的に確認し、必要なら最新のデータで学習をやり直す。
正解。AIの出力は学習したデータの傾向に基づく予測であり、常に正しいとは限りません。 前提が変われば精度は落ちるので、運用中も実績と突き合わせて確かめ、ずれが大きければ 学習をやり直す。これが信頼性の課題への基本的な備えです。
理解を深めるために
精度は「一度出したら続く」ものではない
AIの予測は、学習したデータに現れていた傾向を当てはめているにすぎません。 ですから、学習した頃と現実が食い違ってくれば、当たらなくなります。 近くに競合店ができた、客層が変わった、在宅勤務が増えて人の流れが変わった。 こうした変化はAIの側からは見えず、精度の低下という形でだけ現れます。
信頼性の課題とは何か
AIの出力は「正しいかもしれない予測」であって、保証された答えではありません。 この性質から、使う側には次の備えが要ります。
- 導入時だけでなく、運用中も実績と突き合わせて精度を測り続ける
- ずれが大きくなったら、原因を調べ、最新のデータで学習し直す
- 予測が外れた場合にどこまで影響が及ぶかを、あらかじめ見積もっておく
信頼性は「高い精度を一度出すこと」ではなく、「期待どおりの働きを保ち続けること」 だと考えると、必要な取組みが見えてきます。
混同しやすいものとの違い
| 取組み | 何を担保するか |
|---|---|
| 精度の定期的な確認と再学習 | 出力が今も実態に合っているか |
| 説明可能なAI(XAI) | 出力の根拠が人に見えるか |
| ヒューマンインザループ(HITL) | 最終決定を人が下すか |
| 学習データの偏りの点検 | 出力が公平か |
試験では、AIの精度が落ちてきた場面で「確かめ直して学習し直す」を選びます。 根拠の表示や人の確認は別の課題への対策で、精度そのものの代わりにはなりません。