正解:イ
各選択肢の解説
アルールは安定稼働のために定めたものなので、次の定例日まで待ち、それまでは手作業での対応を顧客に依頼する。
誤り。ルールの文面は守れていますが、顧客が繁忙期に毎日1時間を失うという事実を 判断に入れていません。決まりに従うこと自体が目的になっており、既存の基準を そのまま当てはめた前例踏襲に当たります。
イルールの目的に照らし、影響の小さい修正に限って臨時公開する案を、検証手順と条件を添えて責任者と決める。
正解。行動例「既存の価値観に基づく判断が難しい状況においても、価値創造に向けて 必要であれば、臨機応変に意思決定を行っている」に当たります。ルールの目的 (安定稼働)を守る手立てを示したうえで、適用範囲を限って決めています。
ウ顧客が困っている以上急ぐべきだと考え、責任者に諮らずにその日のうちに修正版を公開してしまう。
誤り。顧客を思う気持ちは正しいのですが、検証も合意もないまま公開すれば、 ルールが防ごうとしていた別の障害を招きかねません。臨機応変とは、ルールを 無視してよいという意味ではなく、目的を守りながら例外を設計することです。
エ運用ルール自体を見直す必要があると考え、ルールが改定されてから臨時公開の可否を検討することにする。
誤り。ルールの見直し提案は妥当ですが、改定を待つ間に繁忙期は過ぎてしまいます。 仕組みを直すことと、目の前の判断を下すことは別に進められます。 判断を制度の整備に預けてしまった点で、動かなすぎる失敗です。
理解を深めるために
ルールは「何を守るため」にあるのか
定例日にまとめて公開するルールは、検証を十分に行い、障害を減らすために作られて います。目的は安定稼働であって、日付そのものではありません。
そう考えると、この場面の問いは「ルールを守るか破るか」ではなく、 安定稼働を守ったまま、顧客の損失を止める方法があるかになります。 修正の影響範囲が狭く、検証の手順を決められるなら、条件を限った臨時公開という 答えが作れます。
例外を「設計する」とはどういうことか
独断との差は、決める前に次を示せるかどうかです。
- 対象を限る(この不具合の修正だけ、この顧客の環境だけ)
- 確かめ方を決める(何をどこまで検証してから出すか)
- 元に戻す手立てを用意する(問題が出たら戻せるか)
- 責任者と合意し、記録を残す
ここまで示して決めるなら、それはルール違反ではなく、目的に沿った判断です。
4つの行動の比較
| 行動 | どこが問題か |
|---|---|
| 条件を限った臨時公開を責任者と決める | ルールの目的を守りつつ価値を届けている |
| 定例日まで待って手作業を依頼する | 決まりに従うこと自体が目的になっている |
| 諮らずにその日のうちに公開する | 検証も合意もない独断 |
| ルール改定を待って判断する | 判断を先送りし、機会を逃す |
試験では、動かない選択肢と独断の選択肢が両側に置かれます。 目的に戻っているか、範囲と根拠を示して合意しているかで見分けてください。