正解:ア
各選択肢の解説
ア出展の目的に立ち返り、動く機能だけを実演し残りは開発中と示す案を、理由を添えて関係部署に諮る。
正解。行動例「既存の価値観に基づく判断が難しい状況においても、価値創造に向けて 必要であれば、臨機応変に意思決定を行っている」に当たります。出展の目的 (顧客の反応を早く得ること)に照らして判断し、根拠を示して関係部署と決めています。
イ完成品だけを展示するという慣行に従い、今回の出展は取りやめて次回の展示会に回すことにする。
誤り。慣行をそのまま当てはめただけで、その慣行が何のためにあるのかを問い直して いません。前例に沿えば判断の責任は問われませんが、顧客の反応を得る機会は失われます。 既存の価値観に基づく判断が難しい状況で、その価値観に寄りかかった形です。
ウ展示の決まり自体に無理があると考え、社内で慣行が見直されるまで出展の可否を判断せずに待つ。
誤り。問題意識はあるものの、見直しを待っている間に展示会は終わってしまいます。 臨機応変な意思決定とは、決まりが整うのを待たずに、いま出せる価値を目的から 考えて決めることです。判断を先送りした点で、動かなすぎる側の失敗に当たります。
エ目玉が要ると自分で判断し、関係部署に相談せずに展示品を別の既存製品へ差し替えて当日を迎える。
誤り。素早く見えますが、なぜそう決めたのかを誰にも示していません。柔軟な意思決定は 独断で決めてよいという意味ではなく、目的に照らした根拠を示して関係者と共有することが 前提です。営業や開発の予定とも食い違い、崩しすぎる側の失敗になります。
理解を深めるために
「やるか、やめるか」の外に案を作る
試作が間に合わないと分かったとき、頭に浮かぶのは「予定どおり出す」か「取りやめる」かの 二択です。しかし慣行(完成品だけを展示する)をそのまま当てはめれば取りやめ、 無理に出せば信用を損ねます。どちらの答えも据わりが悪いのが、この場面の難しさです。
柔軟な意思決定が効くのはここです。判断に迷ったら、決まりではなく目的に戻る。 展示会に出る目的が「顧客の反応を早く得ること」なら、動く範囲だけを実演し、 残りは開発中だと正直に伝えるという第三の案が作れます。
臨機応変と独断はどこが違うか
- 目的・価値に照らして判断しているか(思いつきではないか)
- なぜそう決めたのかを言葉にして示しているか
- 関係する人と共有し、合意して進めているか
この3つが欠けた「素早い判断」は、単なる独断です。行動例が 「価値創造に向けて必要であれば」と条件を付けているのは、変えること自体が 目的ではないからです。
4つの行動の比較
| 行動 | どこが問題か |
|---|---|
| 目的に戻り、実演範囲を絞る案を諮る | 目的に照らし、根拠を示して決めている |
| 慣行に従って出展を取りやめる | 前例の基準をそのまま当てはめている |
| 慣行の見直しを待つ | 判断を先送りし、機会を逃す |
| 相談せず展示品を差し替える | 根拠も合意もない独断 |
試験では、「規程が変わるまで動かない」と「相談せずに変える」が両側の失敗として 並べられます。目的に照らしたか、根拠を示したかの2点で見分けてください。