正解:ウ
各選択肢の解説
ア年度計画で承認された内容なので、今年度は予定どおり進め、見直しは来年度に回す。
誤り。計画を守ることは組織の信頼につながりますが、調査で前提が崩れたと分かった 後も従来どおり進めると、価値の低い成果物に予算を使い続けることになります。 「決めたとおりに進める」という既存の判断基準に縛られた対応です。
イ調査の回答者がもっと増えて結果がはっきりするまで、刷新の作業も方針の判断も止めて待つ。
誤り。慎重に見えますが、判断に足る事実がすでにあるのに、完全な確証を待って 決めずにいます。その間も作業は止まり、来訪者に届く情報は古いままです。 必要なときに臨機応変に意思決定するという行動例に合いません。
ウ調査結果を根拠に、予算の一部をWebでの情報発信へ振り替える案をまとめ、理事会に諮る。
正解。行動例「既存の価値観に基づく判断が難しい状況においても、価値創造に向けて 必要であれば、臨機応変に意思決定を行っている」に当たります。前提の変化を 根拠に、計画を組み替える方向を担当者として自ら決めて示し、承認の手続きに 乗せています。柔軟に決めることは、組織の手続きを飛ばすことではありません。
エ調査結果を受けて、関係者には相談せず、パンフレットの予算をすべてSNS広告に移す。
誤り。素早く方向を変えてはいますが、根拠からの説明も関係者との合意もなく、 手段も調査で分かったことから飛躍しています。臨機応変な意思決定は、場当たり的な 独断とは違います。変える理由と範囲を示してこそ実行に移せます。
理解を深めるために
前提が変わったら、決め直すのも仕事のうち
年度計画は、計画を立てた時点での前提に基づいています。その前提が 「来訪者は紙のパンフレットで情報を得る」だったとすれば、調査でそれが崩れた今、 計画どおりに進めることがそのまま正しいとは限りません。
柔軟な意思決定とは、「決めたことは変えない」という既存の判断基準だけでは 決めにくい場面でも、価値を生むために必要なら臨機応変に判断を下すことです。
臨機応変と場当たりは違う
- 変える根拠がある(ここでは来訪者調査の結果)
- 変える範囲が根拠に見合っている(予算の一部をWebへ振り替える)
- 案として示し、組織の承認の手続きに乗せている
逆に、見直しを来年度に回す、完全な確証が出るまで待つ、根拠を飛び越えて一気に変える、 のいずれも柔軟な意思決定とは言えません。前の2つは決めていない、最後の1つは 決め方が雑、という違いがあります。
対応による違い
| 対応 | 問題点 |
|---|---|
| 根拠を示して一部を振り替える案を理事会に諮る | なし(臨機応変な意思決定) |
| 計画どおり進め、見直しは来年度 | 既存の判断基準に縛られている |
| 結果がはっきりするまで判断を止めて待つ | 確証を待ち続けて決めていない |
| 相談せず全額をSNS広告に移す | 根拠と合意を欠いた独断 |
試験では、「変える」選択肢が複数あるときほど、根拠と範囲と説明がそろっているかを 見比べてください。