正解:ウ
各選択肢の解説
ア通信内容を暗号化し、経路の途中で盗み見られても内容が分からないようにする。
誤り。これはVPNやHTTPSなど、暗号化の技術が行うことです。ファイアウォールを 通った通信の中身が暗号化されるわけではありません。「読めないようにする」のが 暗号化、「そもそも通さない」のがファイアウォールです。
イ端末に侵入したマルウェアを検知して駆除し、感染の拡大を防ぐ。
誤り。これはウイルス対策ソフトの役割です。どちらも不正なものを防ぐ点は同じですが、 守る場所が違い、ファイアウォールは境界で通信を止め、ウイルス対策ソフトは 端末の中に入ったものを取り除きます。
ウあらかじめ定めた規則に合わない通信を遮断し、内部へ通さない。
正解。送信元や宛先のIPアドレス、ポート番号などを条件として先に決めておき、 その条件に合う通信だけを通します。外部からの不正な接続を入口で断つ仕組みです。
エ社内の複数の端末が1つのグローバルIPアドレスを共有できるようにする。
誤り。これはNATの働きです。どちらも社内と外部の境目に置かれるルータなどが 担うため混同しやすいのですが、目的はアドレスの変換であって、 通すか止めるかの判断ではありません。
理解を深めるために
門番であって、医者でも封筒でもない
会社の入口に立つ警備員を思い浮かべると分かりやすい仕組みです。「社員証を持つ人は 通す」「約束のない訪問は通さない」という決まりを先に作っておき、出入りする一人ひとりを その決まりに当てはめて、通すか止めるかを決めます。建物の中に入ってしまった後のことや、 持ち物の中身を隠すことまでは受け持ちません。
何を見て判断するのか
ファイアウォールは社内ネットワークとインターネットの境界に置かれ、通過しようとする 通信を次のような条件で照らし合わせます。
- どこから来た通信か(送信元のIPアドレス)
- どこへ向かう通信か(宛先のIPアドレス)
- どのサービス宛てか(ポート番号)
決めた条件に合う通信だけを通し、それ以外は遮断します。外部から社内のサーバへ 勝手に接続しようとする通信は、条件に合わないので入口で止まります。
混同しやすいものとの違い
| 用語 | 役割 |
|---|---|
| ファイアウォール | 規則に合わない通信を境界で遮断する |
| ウイルス対策ソフト | 端末に入り込んだマルウェアを検知・駆除する |
| VPN | 通信を暗号化し、経路の途中で読まれないようにする |
| NAT | プライベートIPアドレスとグローバルIPアドレスを変換する |
試験では「境界に置いて何をするか」が問われます。通すか止めるかを決めるのが ファイアウォールで、中身を安全にするのでも、中身を隠すのでもない点で他と分かれます。