問題 54★★★

家庭のルータにはグローバルIPアドレスが1つだけ割り当てられているが、 家の中のPC3台が同時に別々のWebサイトを閲覧できている。 インターネットから戻ってきた応答を、ルータが正しいPCへ届けられる仕組みとして、 最も適切なものはどれか。

正解:ウ

各選択肢の解説

  1. アルータが、PCごとに別のグローバルIPアドレスを通信のたびに借りて送受信している。

    誤り。これは1対1で変換する基本的なNATを、そのまま台数分行うという誤解です。 グローバルIPアドレスは1つしか割り当てられていないので、PCごとに別のアドレスを 使うことはできません。1つのアドレスを共有するための工夫が別に必要です。

  2. イルータが、送信元PCのMACアドレスを付けたままインターネットへ送り出している。

    誤り。MACアドレスは同じLANの中で機器を見分ける番号で、ルータを越えると インターネット側には伝わりません。「機器を区別する番号」という点で候補に見えますが、 外から戻る応答の振り分けには使えません。

  3. ウルータが、変換時にポート番号も付け替え、その対応表で応答の宛先PCを見分けている。

    正解。NAPT(IPマスカレード)と呼ばれるNATの方式です。アドレスは1つでも、 ポート番号を通信ごとに変えて記録しておけば、戻ってきた応答をどのPCに返すか判別できます。

  4. エDNSサーバが、PCごとに異なるドメイン名を割り当てて応答の宛先を区別している。

    誤り。DNSはドメイン名とIPアドレスを対応づける仕組みで、閲覧先のサーバを 調べるときに使います。家庭内のPCにドメイン名を配って通信を振り分ける役割はありません。

理解を深めるために

一言で言うと「代表番号+内線番号」

会社の代表電話を思い浮かべてください。外から見える番号は1つでも、内線番号を 組み合わせれば、社内の誰あての電話かを区別できます。

家庭のルータも同じです。外向けのグローバルIPアドレスは1つだけですが、 ポート番号を内線番号のように使って、どのPCの通信かを見分けています。 この方式をNAPT(IPマスカレードとも呼ぶ)といい、NATの一種です。

なぜそうなっているのか

IPv4のアドレスは数に限りがあり、家庭の全機器にグローバルIPアドレスを配る余裕はありません。 そこで次のように動きます。

  • PCが通信を始めると、ルータは送信元を「自分のグローバルIPアドレス+空いているポート番号」に書き換える
  • 書き換えの前後を対応表に記録しておく
  • 応答が戻ってきたら、宛先のポート番号を対応表で引き、元のPCのプライベートIPアドレスに戻して届ける

アドレスだけを1対1で変換する基本的なNATでは、同時に通信できる台数は グローバルIPアドレスの数までです。ポート番号まで使うことで、1つのアドレスを 多数の機器で共有できます。

混同しやすいものとの違い

用語 役割
NAPT アドレスとポート番号を合わせて変換し、1つのグローバルIPアドレスを共有する
基本的なNAT アドレスを1対1で変換する。同時に使える台数はグローバルIPアドレスの数まで
MACアドレス 同じLANの中で機器を見分ける。ルータを越えて外には伝わらない
DNS ドメイン名とIPアドレスを対応づける

試験で「1つのグローバルIPアドレスを複数の端末で共有する」とあれば、 ポート番号を使うNAPTの話だと見抜けるようにしておきましょう。

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