問題 20★★☆

離れた病院にいる医師が、5Gの回線を通じて手術支援ロボットを操作する実験が行われている。 医師の手の動きがほぼ遅れなくロボットに伝わる必要がある。 この場面で最も重要となる5Gの特徴はどれか。

正解:エ

各選択肢の解説

  1. ア高速大容量

    誤り。これは高精細な動画などの大きなデータを短時間で送れる特徴です。 「速い」という言葉から遅れの少なさと混同しがちですが、一度に運べる量の話です。 操作が届くまでの待ち時間を問う場面では、遅延の小ささが決め手です。

  2. イ多数同時接続

    誤り。これは狭い範囲にある大量のセンサーや機器を同時につなげる特徴です。 IoTの場面でよく挙がるため混同しやすいですが、機器の数の話です。 医師とロボットの1対1の操作では、つなぐ台数は問題になりません。

  3. ウ低消費電力・長距離

    誤り。これはLPWAの特徴で、少量のデータを電池で長く、遠くまで送る用途向けです。 同じIoT向けの無線として並べて語られますが、LPWAは通信速度や即時性を犠牲にしています。 遅れなく操作を伝える用途には向きません。

  4. エ超低遅延

    正解。送った信号が相手に届くまでの遅れがごく小さいという特徴です。 遠隔手術や自動運転のように、わずかな遅れが事故につながる用途で活かされます。

理解を深めるために

5Gの「3つの得意技」を場面で見分ける

5Gは「4Gより速い」だけの規格ではありません。 得意なことが3つあり、試験では場面からどれが効いているかを問われます。

  • 4K・8Kの映像を送りたい → たくさん運べること
  • 遠くの機械を操作したい → 遅れないこと
  • 工場や街中の大量のセンサーをつなぎたい → 一度にたくさんつなげること

遠隔手術で困るのは、医師が手を動かしてからロボットが動くまでの「間」です。 量が多いかどうかでも、台数が多いかどうかでもありません。

3つの特徴の中身

総務省の資料では、5Gの目標性能として次のように整理されています。

  • 高速大容量:最高伝送速度は10Gbps程度(4Gの10〜100倍)
  • 超低遅延:遅延は1ミリ秒程度
  • 多数同時接続:1平方kmあたり100万台程度の機器を接続

「速い」という言葉は、量(大容量)と待ち時間(低遅延)のどちらにも使われがちです。 ここを分けて考えるのが、この論点のコツです。

混同しやすいものとの違い

特徴 効いてくる場面
超低遅延 遠隔手術、自動運転、建設機械の遠隔操作
高速大容量 高精細な動画の配信、VR・ARの映像
多数同時接続 スマートメーターや工場のセンサーなど大量のIoT機器
低消費電力・長距離(LPWA) 電池で数年動く水道メーターや農地のセンサー

「遅れが許されない操作」なら超低遅延、「大量の機器」なら多数同時接続、 「大きな映像」なら高速大容量と、場面のキーワードで切り分けます。

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