正解:エ
各選択肢の解説
ア宛先のIPアドレスを基に、データを宛先まで中継して届ける。
誤り。これはIPの役割です。IPはアドレスを頼りにデータを宛先まで運びますが、 途中で失われても気づきません。IPが「運ぶ」、TCPが「届いたか確かめる」と 役割を分けて覚えると区別できます。
イ通信の内容を暗号化し、途中で盗み見されないようにする。
誤り。これはTLS(HTTPSで使われる仕組み)の役割です。TCPは「確実に届ける」 ための仕組みで、内容そのものは保護しません。確実さと秘密を守ることは別の問題です。
ウドメイン名を、通信に使うIPアドレスに変換する。
誤り。これはDNSの役割です。DNSは通信を始める前に宛先を調べる仕組みで、 データを届ける段階には関わりません。調べる役か、運ぶ役かで切り分けます。
エ相手に届いたかを確認し、届かなかったデータを再送する。
正解。TCPは相手からの受信確認を待ち、届かなかった分を送り直します。 順番が入れ替わって届いても、元の順に並べ直して渡します。
理解を深めるために
IPが運び、TCPが届いたかを確かめる
荷物の配送にたとえると、IPは「宛名を見て荷物を運ぶ配送業者」です。 ただし、途中で荷物がなくなっても気づきません。 TCPは「受け取りの返事をもらい、返事がなければもう一度送る係」です。 2つを組み合わせることで、データが欠けずに順番どおり届くようになります。
なぜそうなっているのか
インターネットの通信は、役割ごとに分かれたプロトコルを重ねて使います。
- IP:IPアドレスを基に、データを宛先まで中継して届ける。届いたかは確認しない
- TCP:接続を確立してから送り、受信確認を受け取る。届かなければ再送し、順番を整える
IPが確認をしないのは、中継を単純で速くするためです。確実さが要る通信では その上にTCPを載せ、多少の遅れより即時性が大事な通信(音声通話やライブ配信など)では 再送をしないUDPを載せる、という使い分けになっています。 WebページやメールはTCPを使うため、データの一部が欠けた状態で表示されることはありません。
混同しやすいものとの違い
| プロトコル | 役割 |
|---|---|
| TCP | 受信確認と再送で、データを欠けずに順番どおり届ける |
| IP | IPアドレスを基に宛先まで中継する(届いたかは見ない) |
| DNS | ドメイン名をIPアドレスに変換する |
| TLS | 通信内容を暗号化し、盗み見や改ざんを防ぐ |
試験で「信頼性」「再送」「順序の保証」と出たらTCP、「宛先まで中継」ならIPです。 「確実に届ける」と「秘密を守る」は別の機能だと押さえておきましょう。