問題 45★★☆

Web制作会社の担当者が、カフェの公衆無線LANから、FTPを使って顧客のWebサーバへ ファイルをアップロードしようとしたところ、上司に止められた。 その理由として最も適切なものはどれか。

正解:エ

各選択肢の解説

  1. アFTPは、サーバに接続するときに利用者の認証を行わず、誰でも書き込めるから。

    誤り。FTPは接続時に利用者IDとパスワードで認証します。 認証が無いのではなく、その認証情報が暗号化されずに流れることが問題です。 「認証があるか」と「認証情報が守られているか」は別の話です。

  2. イFTPは、送ったデータが届いたかを確認せず、ファイルが欠けても気づけないから。

    誤り。FTPは届いたかを確認しながら送るTCPの上で動くため、 途中で欠けたデータは送り直されます。確認せずに送るのはUDPの性質で、 動画のリアルタイム配信などに使われます。

  3. ウFTPは、ケーブルでつないだ有線LANでしか使えず、無線LANでは通信できないから。

    誤り。FTPはファイルを運ぶ手順の取り決めで、電波かケーブルかという つなぎ方とは関係なく使えます。プロトコルの種類と、 物理的な接続方法は別の層の話です。

  4. エFTPは、利用者IDやパスワードも含め、通信内容を暗号化せずに送るから。

    正解。同じ公衆無線LANにいる第三者に通信を盗み見られると、 Webサーバのパスワードがそのまま知られ、サイトを改ざんされるおそれがあります。

理解を深めるために

FTPは「はがき」で送っている

FTPはファイルを転送するための古くからあるプロトコルです。 仕組みはシンプルですが、通信内容を暗号化しません。 封筒に入れずにはがきで送っているようなもので、途中で誰かが見ればすべて読めます。

問題なのはファイルの中身だけではありません。接続のときに入力する 利用者IDとパスワードも、そのままの形で流れます。

なぜ公衆無線LANで特に危ないのか

カフェなどの公衆無線LANは、見知らぬ人と同じネットワークを使う場所です。 暗号化の弱いアクセスポイントや、本物を装った偽のアクセスポイントもあります。

  • そこでFTPを使うと、Webサーバのパスワードを盗み見られるおそれがある
  • パスワードを知られると、第三者がWebサーバにファイルを置ける
  • 結果として、顧客のWebサイトが改ざんされる

このため実務では、暗号化に対応したFTPS(FTPをTLSで保護したもの)や SFTPなどを使います。考え方は、HTTPをTLSで暗号化したHTTPSと同じです。

混同しやすいものとの違い

観点 実際のところ
暗号化 FTPはIDやパスワードを含め暗号化しない(これが問題)
認証 FTPにもIDとパスワードによる認証はある
届いたかの確認 FTPはTCPの上で動き、欠けたデータは送り直される
つなぎ方 有線でも無線でも使える(プロトコルとは別の層)

試験では「FTP=ファイル転送」がまず問われますが、 「暗号化しない」という弱点もあわせて押さえてください。

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