問題 11★★★

Webサービスを運営するA社は、利用者の閲覧履歴を氏名を含まない会員番号だけで 記録している。会員番号から氏名を調べられる会員名簿も別に管理している。この 閲覧履歴の個人情報保護法上の扱いとして、最も適切なものはどれか。

正解:イ

各選択肢の解説

  1. ア氏名が含まれていないので個人情報には当たらず、利用目的を特定する必要もない。

    誤り。「氏名が書かれていなければ個人情報ではない」という典型的な誤解です。 個人情報かどうかは、その情報だけを見て決まるのではなく、社内にある他の情報と 結び付けて個人を特定できる状態かどうかまで含めて判断します。

  2. イ会員名簿と容易に照合でき特定の個人を識別できるため、個人情報として取り扱う。

    正解。個人情報の定義には「他の情報と容易に照合することができ、それにより 特定の個人を識別することができるもの」が含まれます。社内で会員番号と氏名を 突き合わせられる以上、閲覧履歴も個人情報として扱う必要があります。

  3. ウ実際に氏名と結び付けた時点で個人情報になり、それまでは個人情報に当たらない。

    誤り。判断の基準は「照合したかどうか」ではなく「容易に照合できる状態かどうか」 です。名簿を実際に開かなくても、社内の通常の業務で突き合わせられるなら、 記録した時点ですでに個人情報として保護の対象になります。

  4. エ復元できないよう加工された匿名加工情報に当たり、本人の同意なく提供できる。

    誤り。これは匿名加工情報の説明です。匿名加工情報は特定の個人を識別できず元に 復元もできないよう加工したものを指します。会員番号と氏名の対応表が手元に残って いる状態は復元可能なので、匿名加工情報とはいえません。

理解を深めるために

名簿とつながるなら、番号だけでも個人情報

学校の出席番号を思い出してください。「3年2組の15番が遅刻」というメモは、それだけ 見れば誰のことか分かりません。しかし職員室に名簿があれば、めくるだけで名前が分かり ます。このときそのメモは、すでに個人を特定できる情報として扱うべきです。 個人情報保護法の考え方もこれと同じで、氏名の有無ではなく、手元の情報とつなげて 個人にたどり着けるかどうかで判断します。

「容易に照合することができ」の意味

個人情報保護法は、生存する個人に関する情報のうち、次のいずれかに当たるものを個人情報 としています。

  • 氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別できるもの
  • 他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別できるもの
  • 個人識別符号が含まれるもの

2つ目がこの問題の論点です。ポイントは「実際に照合したか」ではなく「照合できる状態か」 である点。同じ社内のシステムやファイルを見れば突き合わせられるなら、容易に照合できる と判断されます。逆に、照合に必要な情報を第三者が持っていて自社からは入手できない、 といった場合は容易とはいえません。仮IDに置き換えただけで「これで個人情報ではなく なった」と考えるのは危険だ、と覚えておけば十分です。

混同しやすいものとの違い

用語 中身
個人情報(容易照合性) 他の情報と容易に照合して個人を識別できるものも含む
個人識別符号 指紋データや旅券番号など、それ単体で個人を識別できる符号
匿名加工情報 個人を識別できず復元もできないよう加工した情報
仮名加工情報 他の情報と照合しなければ個人を識別できないよう加工した情報

試験では「IDだけの履歴」「顧客番号だけの購買データ」といった形で問われます。 社内に対応表があるか、を探すのが解き方です。

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