問題 28★★☆

ある企業が社内にCSIRTを設置した。インシデントが起きていない平常時に、 CSIRTが行う活動として最も適切なものはどれか。

正解:ウ

各選択肢の解説

  1. ア事故の報告を受けるまでは活動を控え、発生後の対応だけを受け持つようにしておく。

    誤り。CSIRTを「火事が起きてから出動する消防」とだけ捉える誤解です。 事故時に素早く動けるかどうかは、平常時の情報収集や手順の準備で決まるため、 平常時の活動もCSIRTの重要な役割です。

  2. イ経営層と各部門の責任者で、全社の情報セキュリティ方針や規程を審議して承認する。

    誤り。これは情報セキュリティ委員会の役割です。方針や規程を決める場であり、 CSIRTはその方針のもとで、インシデントへの備えと対応を実務として担う チームという位置づけです。

  3. ウ脆弱性や攻撃の情報を外部組織から集めて社内に注意喚起し、事故時の連絡手順を整える。

    正解。CSIRTは事故時の対応だけでなく、平常時にも脅威情報の収集と社内への周知、 対応手順や連絡体制の整備、訓練などを行い、いざというときに備えます。

  4. エ独立した立場から、規程どおりに対策が運用されているかを点検し、経営者に報告する。

    誤り。これは内部監査(情報セキュリティ監査)の役割です。対策を実施する側から 独立して点検することに意味があるため、対応の当事者であるCSIRTが 自らこの役を担うことはありません。

理解を深めるために

消防署は火事のない日も働いている

消防署は、火事が起きていない日にも、防火の呼びかけや設備の点検、訓練をしています。 だからこそ通報があればすぐに出動できます。CSIRT(シーサート)も同じで、 インシデントが起きたときに対応するチームですが、その力は平常時の準備で決まります。

CSIRTの平常時と緊急時

CSIRTは Computer Security Incident Response Team の略で、組織内でインシデントに 対応するチームです。

  • 平常時:脆弱性情報や攻撃手口の情報を収集し、社内へ注意喚起する。対応手順や 連絡体制を整え、訓練や教育を行う。他社のCSIRTや外部機関と連携の関係を作っておく
  • 緊急時:インシデントの報告を受け付け、影響の調査、被害の封じ込め、復旧、 再発防止までを指揮し、社内外との連絡・調整にあたる

社外との窓口になるのもCSIRTの特徴です。外部から「御社のサーバから不審な通信が 出ている」と連絡が来たとき、受け止める先がはっきりしていることが重要です。

混同しやすいものとの違い

組織 主な役割
CSIRT インシデントへの備えと対応、社内外との連絡・調整
情報セキュリティ委員会 全社の方針や規程を審議・決定する
内部監査部門 独立した立場で運用状況を点検する
SOC ログや通信を常時監視し、攻撃の兆候を検知する

試験では「対応・調整」ならCSIRT、「監視・検知」ならSOC、「決定」なら委員会、 「点検」なら監査と、動詞で切り分けると迷いません。

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