正解:エ
各選択肢の解説
アバックアップの頻度を毎晩から1時間ごとに増やし、失うデータを減らす。
誤り。頻度を上げると失うデータの量は減りますが、保存先が常時接続のNASのままでは、 感染時にバックアップもネットワーク経由で一緒に暗号化されるおそれがあります。 「どれだけ新しいか」ではなく「攻撃から届かない場所にあるか」が問題です。
イNASのディスクをRAIDで二重化し、片方が壊れても読めるようにする。
誤り。RAIDによる二重化はディスク故障への備えです。暗号化されたデータも そのまま両方のディスクに書き込まれるため、ランサムウェアには効きません。 機器の故障対策か、データを書き換える攻撃への対策かで区別します。
ウファイルサーバの内容をクラウドストレージにも自動で同期させておく。
誤り。同期は元のファイルの変更をそのまま相手に反映する仕組みなので、 暗号化されたファイルも同期先へ上書きされます。複製が増えて安心に見えますが、 過去の状態を保持するバックアップとは役割が違います。
エバックアップの一部を、取得時以外は社内ネットワークから切り離して保管する。
正解。ランサムウェアはネットワーク経由で届く範囲のデータを暗号化します。 普段は切り離しておくバックアップ分離なら、攻撃が届かず復旧の拠り所になります。
理解を深めるために
金庫の鍵を同じ部屋に置かない
ランサムウェアは、感染した端末からネットワーク越しに見えるデータを次々に暗号化し、 元に戻す代わりに金銭を要求します。常時つながっているNASは「見えるデータ」の一つです。 バックアップを取っていても、本体と一緒に暗号化されてしまえば復旧できません。
なぜ「切り離し」が効くのか
- 攻撃が届くのは、ネットワークでつながっている範囲だけ
- バックアップを取るときだけ接続し、普段は外しておけば、感染時にも無傷で残る
- 外付けの媒体を取り外して保管する、別のネットワークに置く、といった方法がある
同じ狙いの対策にイミュータブルバックアップがあります。一定期間は変更も削除も できない形で保存するもので、ネットワークにつながったままでも書き換えを受け付けません。 「届かない場所に置く」のがバックアップ分離、「届いても書き換えられない」のが イミュータブルバックアップです。
似た対策との違い
| 対策 | 何に備えるか | ランサムウェアへの効果 |
|---|---|---|
| バックアップ分離 | 攻撃が届かない場所に保管 | 暗号化を免れ復旧できる |
| バックアップ頻度の増加 | 失うデータの量を減らす | 保存先が同じなら一緒に暗号化される |
| RAIDによる二重化 | ディスクの故障 | 暗号化も両方に書き込まれる |
| クラウドへの自動同期 | 別の場所での利用・共有 | 暗号化されたファイルも同期される |
試験では「複製がある」ことより「その複製に攻撃が届くかどうか」で見分けます。 常に同じネットワークにつながった複製は、ランサムウェアへの備えとしては不十分です。