問題 30★★☆

インターネットバンキングで、いつもの自宅のPCからは利用者IDとパスワードだけで ログインできる。ところが旅行先で初めて使うスマートフォンからログインしたところ、 正しいパスワードを入れた後に、登録済みの合言葉の入力を追加で求められた。 この仕組みはどれか。

正解:ア

各選択肢の解説

  1. アリスクベース認証

    正解。端末・場所・時間帯などがふだんと違うときだけ「なりすましの危険が 高い」と判断し、追加の確認を求める仕組みです。いつもの環境では手間を 増やさない点が特徴です。

  2. イ多要素認証

    誤り。多要素認証は、記憶・所有・生体のうち異なる種類の要素を、 ログインのたびに組み合わせる方式です。この場面は自宅のPCでは追加の確認が なく、しかも合言葉はパスワードと同じ記憶の要素なので当てはまりません。

  3. ウシングルサインオン

    誤り。シングルサインオンは、一度の認証で連携する複数のサービスを続けて 使えるようにする仕組みです。認証の回数を減らす方向の技術で、状況に 応じて確認を増やすこの場面とは向きが逆です。

  4. エアカウントロック

    誤り。アカウントロックは、パスワードを決められた回数続けて間違えたときに ログインを止める仕組みです。この場面ではパスワードは正しく入力されており、 止められたのではなく確認を追加されています。

理解を深めるために

「いつもと違う」ときだけ念を押す認証

顔なじみの店員は、常連客には何も聞きませんが、見慣れない人が高額の取引を しようとすると身分証の提示を求めます。リスクベース認証はこれと同じ発想で、 ログインの状況から危険度を見積もり、危険度が高いときだけ追加の確認を求めます。

どうやって「いつもと違う」と判断するのか

サービス側は、利用者のふだんのログイン状況を記録しておき、今回のログインと比べます。

  • 使っている端末やブラウザ
  • 接続元の国・地域(IPアドレスから推定)
  • ログインする時間帯

パスワードが盗まれても、攻撃者は利用者本人とは別の端末・場所から入ろうとするのが ふつうです。そこで追加の確認(合言葉、登録済みのメールアドレスやスマートフォンへの 確認コードなど)を挟めば、パスワードだけでは突破できなくなります。 ふだんの環境では確認を省くので、利用者の手間が増えにくいのが利点です。

混同しやすいものとの違い

仕組み 追加の確認・制限がかかる条件
リスクベース認証 ふだんと違う環境からのログインのときだけ
多要素認証 毎回(異なる種類の要素を必ず組み合わせる)
シングルサインオン 追加しない(一度の認証で複数サービスを使う)
アカウントロック パスワードを連続して間違えたとき(ログイン自体を止める)

試験では「環境がふだんと違うときだけ」という条件が書かれていれば、 リスクベース認証と判断できます。

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