正解:ア
各選択肢の解説
ア標的型攻撃
正解。特定の組織や部署を調べ上げ、その相手だけに通用する文面を仕立てて 送り込む攻撃です。受け手にとっては心当たりのある案件名と担当者名なので、 不審に思う手がかりが乏しく、開封されやすくなります。
イフィッシング
誤り。金融機関などをかたったメールで偽のWebサイトへ誘導し、IDやパスワードを 入力させる攻撃です。メールで信用させる点は同じですが、送り先は不特定多数で、 狙いは入力させることです。今回は相手を絞り、添付ファイルで感染させています。
ウ迷惑メール(スパム)
誤り。宣伝などを目的に、無差別に大量送信されるメールです。相手を選ばず 同じ文面をばらまくため、受け手には自分と無関係な内容に見えます。 特定の相手の業務に合わせて文面を作り込む今回の例とは逆の性質です。
エビジネスメール詐欺(BEC)
誤り。取引先や経営者になりすまし、振込先の変更などを指示して送金させる 詐欺です。実在の相手をかたる点は共通しますが、狙いは金銭を直接だまし取る ことであり、マルウェアを感染させて組織に侵入する今回の例とは目的が違います。
理解を深めるために
ばらまくか、狙い撃つか
同じ「だますメール」でも、街頭で同じチラシを配るのがフィッシングや迷惑メール、 その人の机の上を先に見てから手紙を書くのが標的型攻撃です。 標的型攻撃は、送る前に相手を調べます。会社の取引関係、担当者の氏名、 進行中の案件名。これらを盛り込まれると、受け手が持つ「取引先からのメールだ」 という信頼がそのまま入口になります。
なぜ見破りにくいのか
- 文面が自分の業務に合っている。日本語の不自然さや無関係な内容といった、 ばらまき型のメールにある手がかりが出ません
- 送信数が少ないため、迷惑メールとして広く報告されにくく、 受信側の遮断の仕組みをすり抜けやすくなります
- 目的は金銭の詐取ではなく組織内部への侵入です。感染した1台を足がかりに、 時間をかけて権限の高い端末やサーバへ広げていきます
やりとりを何度か重ねて警戒を解いてから添付ファイルを送る、といった手口もあり、 最初の1通が無害に見えることもあります。
混同しやすいものとの違い
| 用語 | 狙う相手と目的 |
|---|---|
| 標的型攻撃 | 特定の組織を狙い、侵入の足がかりを作る |
| フィッシング | 不特定多数を狙い、偽サイトで認証情報を入力させる |
| 迷惑メール(スパム) | 不特定多数へ無差別に送る。主に宣伝が目的 |
| ビジネスメール詐欺(BEC) | 特定の担当者を狙い、偽の指示で送金させる |
試験では「特定の企業の」「業務に関係する件名で」「少数の担当者に」という 書き方が出たら標的型攻撃です。相手が絞られているか、そして狙いが入力・送金か 侵入かの2点で見分けます。