正解:エ
各選択肢の解説
アボット
誤り。マルウェアに感染し、外部の指令サーバからの命令どおりに動かされる 状態を指します。自分の機器が攻撃に使われる点は似ていますが、原因は感染です。 今回は感染しておらず、正規の中継機能の設定が緩いままだったことが原因です。
イ中間者(Man-in-the-middle)攻撃
誤り。通信を行う二者の間に攻撃者が割り込み、双方になりすまして 内容を盗み見たり書き換えたりする攻撃です。「間に入る」という語感が 中継と重なりますが、割り込む相手はメールサーバではなく通信そのものです。
ウバックドア
誤り。攻撃者が侵入したあとに、再び入り込むためひそかに仕掛ける裏口です。 外部から自由に使える入口がある点は似ていますが、バックドアは攻撃者が 後から仕込んだものです。今回開いているのは、正規の機能の設定です。
エ第三者中継(オープンリレー)
正解。自組織とは無関係な送信者からのメールまで中継してしまう状態です。 迷惑メールの送信元としてA社のサーバが記録されるため、 A社は被害者でありながら加害者にも見えてしまいます。
理解を深めるために
誰の依頼でも運んでしまう郵便局
メールサーバは、自社の利用者から預かったメールを相手先へ届けるのが仕事です。 ところが「誰から頼まれたか」を確かめない設定になっていると、 通りすがりの見知らぬ人が持ち込んだ大量の郵便まで引き受けて配ってしまいます。 これが第三者中継(オープンリレー)です。攻撃者は、 そのサーバに寄せられている信頼をそのまま借りて迷惑メールを送り出します。
何が問題になるのか
- 送信元として記録されるのはA社のサーバです。攻撃者の足跡は残りません
- 迷惑メールの送信元とみなされ、A社のIPアドレスが各社の受信拒否リストに 載ることがあります。こうなると、取引先への正規のメールまで届かなくなります
- 通信量を食いつぶされ、本来の業務のメールの配送が遅れます
侵入されたわけでも感染したわけでもなく、設定の不備だけで起こるのが この問題の特徴です。対策も攻撃の検知ではなく、中継を認める範囲を 自組織の利用者や自社ネットワークからの送信に限る設定にすることです。
混同しやすいものとの違い
| 用語 | 何が起きているか |
|---|---|
| 第三者中継(オープンリレー) | 設定の不備で、無関係な送信者のメールまで中継する |
| ボット | マルウェアに感染し、指令サーバの命令で動かされる |
| 中間者(Man-in-the-middle)攻撃 | 通信の二者の間に割り込み、盗み見や改ざんをする |
| バックドア | 侵入した攻撃者が、再侵入用にひそかに残す裏口 |
「踏み台にされる」という言葉はボットにも第三者中継にも使われます。 感染によるものか、設定の緩さによるものか。ここで切り分けます。