正解:ア
各選択肢の解説
ア修正されていない不具合や設定の不備など、攻撃に付け込まれ得る欠陥
正解。脆弱性は、守る側の仕組みに残っている弱点そのものです。 ソフトウェアの欠陥(セキュリティホール)のほか、権限設定の誤りや 手順の抜けなど、人や運用の側の弱点も含めて呼びます。
イ不正アクセスや災害など、情報資産に損害を与える可能性のある原因
誤り。これは脅威の説明です。脆弱性と対にして語られるため混同しますが、 脅威は損害を与えようとする側の要因で、多くは自組織の外にあり、 なくすことができません。守る側に残る弱点が脆弱性です。
ウ損失が生じる可能性と、生じたときの影響の大きさを合わせて見たもの
誤り。これはリスクの説明です。脅威が脆弱性に付け込んだときに どれだけ困るかの見積りであり、弱点そのものではありません。 脆弱性を減らせばリスクは下がる、という関係でつながっています。
エ情報セキュリティを脅かす事象として実際に発生した出来事
誤り。これはインシデントの説明です。脆弱性は攻撃を受ける前から そこにある状態で、インシデントは起きてしまった事実です。 起きる前の弱点か、起きた後の事象かという時点の違いがあります。
理解を深めるために
壊れた鍵・泥棒・盗まれる見込み
留守がちな家で考えます。玄関の鍵が壊れたままなのが脆弱性、 その地域に泥棒がいることが脅威、そして「盗まれるかもしれず、 盗まれたらこれだけ困る」という見積りがリスクです。 3つは別のものを指しています。鍵の壊れ具合を語っているのか、 泥棒の存在を語っているのか、困り具合を語っているのか。 ここを混ぜると、対策の議論がかみ合わなくなります。
なぜ分けて考えるのか
- 脅威はなくせません。 攻撃者の存在も地震も、自組織の意思では消せません
- 脆弱性は減らせます。 修正プログラムの適用、設定の見直し、権限の整理は 自分たちの手で実行できます
- リスクは、脅威と脆弱性がそろったときに初めて意味を持ちます。 どちらか一方だけでは損失に結び付きません
だから対策の中心は脆弱性の側に置かれます。「危ない攻撃が流行しているから怖い」 ではなく、「その攻撃に付け込まれる弱点が自社のどこにあるか」を探すのが 情報セキュリティの仕事です。
混同しやすいものとの違い
| 用語 | 何を指すか |
|---|---|
| 脆弱性 | 守る側に残っている弱点。攻撃される前から存在する |
| 脅威 | 損害を与える原因。攻撃や災害など、主に外側にある |
| リスク | 損失が生じる可能性と影響の大きさ |
| インシデント | 実際に発生した、情報セキュリティを脅かす出来事 |
試験では「弱点」「欠陥」「不備」と書かれていれば脆弱性、 「原因」「攻撃や災害」なら脅威、「可能性」「影響の大きさ」ならリスクです。