正解:ウ
各選択肢の解説
ア紙の表面に光を当てて走査し、濃淡を点の集まりとして取り込む。
誤り。これはスキャナー自身が行う読み取りの処理です。この段階でできるのは あくまで画像であり、文字は「そう見える模様」にすぎません。 装置が紙を画像にし、OCRがその画像から文字を取り出す、という順序になります。
イ取り込んだ画像の傾きや明るさを整え、保存するファイルを小さくする。
誤り。これは画像の補正や圧縮の処理です。読みやすさやファイルサイズは 改善しますが、中身は画像のままで文字としては扱えません。 OCRの前処理として併用されることはありますが、OCRそのものではありません。
ウ画像に写った文字の形を認識し、検索や編集ができる文字データに変換する。
正解。OCRは光学的文字認識のことで、画像中の文字の形を判別して文字コードに 置き換えます。これによって氏名や住所を表計算ソフトへ取り込んだり、 あとから検索したりできるようになります。
エ読み取った画像をページごとにまとめ、印刷用のデータとして保存する。
誤り。これは画像をそのまま文書ファイルにまとめる処理です。見た目は書類でも 中身は画像なので、文字の検索やコピーはできません。 「スキャンしたのに文字を検索できない」のは、この状態だからです。
理解を深めるために
装置が写し、OCRが読む
紙をデータにする作業は、二段構えになっています。
- スキャナー — 紙に光を当てて、濃淡を画像として取り込む装置
- OCR — その画像に写った文字の形を認識し、文字データに変換する技術
写真に撮った看板を思い浮かべてください。写真には文字が写っていますが、 コンピュータにとっては色のついた点の集まりでしかありません。 「この形は『東』という字だ」と判断して文字コードに置き換えるのがOCRの仕事です。
文字データになると何が変わるか
- 文字列として検索できる。書類の山から「田中」を含むものを探せる
- 表計算ソフトやデータベースにそのまま取り込める
- コピーや修正ができ、文字の大きさを変えても崩れない
請求書や申込書の入力作業を減らせるのは、この変換があるからです。 手書きの崩れた文字や、かすれた印字では誤認識も起こるため、 読み取り結果を人が確認する工程を置くのが一般的です。
混同しやすいものとの違い
| 用語 | 役割 |
|---|---|
| OCR | 画像中の文字を認識し、文字データに変換する技術 |
| スキャナー | 紙を光学的に読み取り、画像データにする装置 |
| 画像の圧縮 | 画像のままファイルサイズを小さくする処理 |
試験では「スキャナーで読み取った画像から文字を取り出す」という言い回しで OCRが問われます。装置(スキャナー)と技術(OCR)は別物で、 スキャナーだけでは文字データにならない、という点が分かれ目です。