問題 14★☆☆

新製品の部品の試作品を、設計データから社内で短時間に作ることにした。 この用途で使う3Dプリンターの働きとして、最も適切なものはどれか。

正解:ア

各選択肢の解説

  1. ア樹脂などの材料を少しずつ層のように積み重ね、立体的な物を作り出す。

    正解。3Dプリンターは設計データをごく薄い断面に分け、材料を下から順に 積み重ねて立体を作ります。金型を作らずに試作できるため、 形を確かめては直す作業を短い期間で繰り返せます。

  2. イ粉末状のトナーを紙に付着させ、熱と圧力で定着させて印刷する。

    誤り。これはレーザープリンターの仕組みです。同じプリンターでも出力先は 平らな紙であり、作れるのは文字や図の印刷物です。 大量印刷に速くて強い一方、立体物は作れません。

  3. ウ液体のインクを細かい粒にして紙に吹き付け、文字や画像を印刷する。

    誤り。これはインクジェットプリンターの仕組みです。写真の印刷に向き、 本体が安価で家庭にも普及していますが、やはり紙への出力装置です。 3Dプリンターの「材料を噴き出して積む」方式と混同しやすい点に注意します。

  4. エ実在する立体物に光を当てて形状を測り、そのデータを取り込む。

    誤り。これは3Dスキャナーの働きで、向きが逆です。実物からデータを作るのが 入力側の3Dスキャナー、データから実物を作るのが出力側の3Dプリンターです。 実物を測って複製する場面では、両者を組み合わせて使います。

理解を深めるために

紙に「描く」のではなく、材料を「積む」

ふつうのプリンターは、平らな紙の上にインクやトナーを置いて絵や文字を作ります。 3Dプリンターは、これを高さ方向にも繰り返します。 薄く切った断面を一枚ずつ重ねていくと、最後に立体ができあがる、という考え方です。

バウムクーヘンを外側から一層ずつ作っていく様子に近く、 設計データを何百枚もの断面に分ける処理が、造形の前に行われます。

3Dプリンターが変えたこと

  • 金型がいらない。 一点ものや試作品を、データさえあればその場で作れる
  • 形の修正がデータの修正で済むため、試作と評価を何度も回せる
  • 現物を手に取って確認できるので、設計の不具合を早い段階で見つけられる

材料は樹脂が一般的ですが、金属や石こう、食品を扱う機種もあります。 医療分野では患者ごとの模型や器具の製作にも使われています。

混同しやすい装置との違い

装置 出力するもの
3Dプリンター 設計データから立体物を作る(出力)
3Dスキャナー 立体物の形状を測ってデータにする(入力)
レーザープリンター トナーを熱で定着させて紙に印刷
インクジェットプリンター インクを吹き付けて紙に印刷

試験では「積層」「造形」といった言葉が手がかりになります。 プリンターという名前でも、紙に印刷する装置とは出力先がまったく違う点を 押さえてください。

前の問題へ次の問題へ