正解:エ
各選択肢の解説
ア社員証のICチップに記録された社員番号などのデータ。
誤り。これはICカードリーダーが読み取るものです。カードという 「持ち物」を確かめる方式で、貸し借りや紛失があると本人以外でも通れます。 身体そのものを確かめる生体認証とは、何を根拠にするかが違います。
イ利用者がテンキーから打ち込んだ暗証番号の文字列。
誤り。これはキーボードやテンキーからの入力です。本人しか知らない 「知識」を確かめる方式で、覚える負担があり、のぞき見や口頭での 共有によって他人に伝わってしまう弱さがあります。
ウ室内を映したカメラの映像を、日時とともに記録したデータ。
誤り。これは監視カメラによる記録です。あとから人が確認するための証拠で、 その場で入室の可否を判定してはいません。カメラを使う顔認証と 見た目が似ていますが、照合して判定するかどうかが分かれ目です。
エ指紋や静脈のように、その人の身体に備わった特徴のパターン。
正解。生体認証装置は指紋、静脈、虹彩、顔などの身体的特徴を読み取り、 あらかじめ登録したパターンと照合します。持ち歩く物も覚える情報も不要で、 本人そのものが鍵になる点が特徴です。
理解を深めるために
「体が鍵になる」入力装置
キーボードが文字を、マウスが位置を入力する装置であるように、 生体認証装置は人の身体的な特徴をコンピュータに取り込む入力装置です。
読み取る対象はいろいろあります。
- 指紋 — 指先の紋様。小型で安価なため、スマートフォンにも広く載っている
- 静脈 — 手のひらや指の血管の形。体の内部なので偽造されにくい
- 虹彩・顔 — 目の模様や顔立ち。装置に触れずに認証できる
本人確認の三つの根拠
認証で使う根拠は、大きく三種類に分けられます。
| 根拠 | 例 | 弱点 |
|---|---|---|
| 備えているもの | 指紋、静脈、虹彩(生体認証装置) | けがや体調で読み取れないことがある |
| 持っているもの | ICカード、スマートフォン | 紛失、貸し借り、盗難 |
| 知っているもの | パスワード、暗証番号 | 忘れる、のぞき見られる |
生体認証は、カードのように貸し借りができず、パスワードのように忘れません。 一方で、読み取りの精度には限界があり、本人を誤って拒否したり、 他人を誤って受け入れたりすることがあります。 このため重要な区画では、カードと生体認証を組み合わせる運用が取られます。
試験では「身体的特徴を利用した認証」という言い回しで登場します。 入力装置の一種として、何を読み取っているのかを押さえてください。