正解:ア
各選択肢の解説
アNFC
正解。NFCは10センチ程度のごく近い距離でだけ通信する無線規格です。 かざした相手としか通信できないので、接続の操作を利用者にさせずに、 触れる一瞬で決済や改札の処理を終わらせることができます。
イBluetooth
誤り。これは数メートル程度の範囲で機器同士をつなぐ無線規格です。 同じ近距離の無線として混同されますが、使う前にペアリングという 相手を登録する操作が要り、イヤホンやマウスのように接続を保ったまま 使い続ける用途に向いています。
ウ無線LAN(Wi-Fi)
誤り。これはアクセスポイントを介して機器をネットワークにつなぐ規格で、 電波は数十メートル届きます。決済では電波が遠くまで届くことは利点に ならず、かざした相手だけと通信するNFCとは狙いが逆です。
エ赤外線通信(IrDA)
誤り。赤外線を使って近くの機器とデータをやり取りする方式で、かつて 携帯電話の連絡先交換などに使われました。近距離という点は似ていますが、 送受信部を向かい合わせる必要があり、現在の決済や改札には使われていません。
理解を深めるために
届かないことが、そのまま安全につながる
無線というと「遠くまで届くほど高性能」と考えがちですが、 NFC(Near Field Communication)はその逆を狙った規格です。 通信できる距離をおよそ10センチに絞ることで、 「かざした相手」以外とはそもそも通信できない状態を作っています。
レジで支払うとき、隣の人のスマートフォンや、後ろに並んでいる人のICカードが 勝手に反応しては困ります。距離を絞ってあるからこそ、 利用者が相手を選ぶ操作をしなくても、意図した1台とだけやり取りできます。
Bluetoothとの使い分け
どちらも近距離の無線ですが、前提にしている使い方が違います。
- NFC — かざした一瞬だけ通信する。事前の登録操作が要らない
- Bluetooth — 一度ペアリングした機器と、接続を保ったまま使い続ける
イヤホンを毎回かざすのは現実的ではなく、 決済のたびにペアリングを求められるのも現実的ではありません。 どちらが優れているかではなく、用途が分かれています。
混同しやすい無線方式の違い
| 規格 | 届く距離の目安 | 主な用途 |
|---|---|---|
| NFC | 約10cm | 決済、交通系ICカード、機器のかざし接続 |
| Bluetooth | 約10m | イヤホン、マウス、キーボード |
| 無線LAN(Wi-Fi) | 数十m | 機器をネットワークに接続する |
| 赤外線通信(IrDA) | 約1m・要直視 | 旧来の携帯電話などのデータ交換 |
試験では「かざす」「触れる」という言葉が出てきたらNFC、 「ペアリング」「接続したまま使う」が出てきたらBluetoothと見分けられます。