問題 24★★☆

受注システムの運用に関わる次の手続のうち、ITに係る業務処理統制にあたるものはどれか。

正解:ア

各選択肢の解説

  1. ア入力チェックで保留された受注データを、担当者が原因を確かめて直し、再処理まで追跡する。

    正解。エラーとなったデータの修正と再処理は、個々の取引が正しく処理されることを確保する業務処理統制です。 人の手が入っていても、取引データの正確さを守る統制であることは変わりません。

  2. イ受注システムのプログラムを改修するときは、テスト結果の承認を得てから本番に移す。

    誤り。これはITに係る全般統制のうち、システムの開発・保守に関する統制です。 プログラムに組み込んだチェックが正しく働き続ける土台を守るもので、 個々の受注データを直接チェックするわけではありません。

  3. ウシステムの運用を委託する会社と、障害時の責任範囲や報告の方法を契約で取り決める。

    誤り。これはITに係る全般統制のうち、外部委託に関する契約の管理です。 受注業務の流れに組み込まれた統制ではなく、システムを支える体制の側を管理するものです。

  4. エ受注システムのデータを毎日バックアップし、復元できるかを定期的に試しておく。

    誤り。これはITに係る全般統制のうち、システムの運用・管理に関する統制です。 データの入力や処理の正しさを確かめるのではなく、システムを安定して使い続けられるようにする統制です。

理解を深めるために

取引の正しさを守るのが業務処理統制、土台を守るのが全般統制

工場のラインにたとえると、流れてくる製品を1つずつ検査し、不良品を手直ししてラインに戻すのが業務処理統制です。 検査装置そのものの点検や、ラインの保守を委託する業者との契約を管理するのが全般統制にあたります。 前者は個々の取引に、後者はシステム全体に目を向けています。

金融庁の実施基準での例

財務報告に係る内部統制の実施基準では、両者の評価の観点が次のように例示されています。

  • 業務処理統制: 入力情報の完全性・正確性・正当性の確保、エラーデータの修正と再処理、マスタ・データの正確性の確保、システムの利用に関する認証・操作範囲の限定などのアクセス管理
  • 全般統制: システムの開発・保守、システムの運用・管理、内外からのアクセス管理などのシステムの安全性の確保、外部委託に関する契約の管理

業務処理統制の多くは自動化されていますが、実施基準は手作業による業務処理統制もあるとしています。 入力チェックではじかれたデータを人が直して戻す手続はその典型です。 自動チェックで止めたデータが放置されたり、確かめずに通されたりすれば、チェックの意味がなくなるからです。

混同しやすい手続との違い

手続 分類
保留データの修正と再処理 業務処理統制(個々の取引の正確さ)
改修時のテスト承認 全般統制(開発・保守)
運用委託先との契約 全般統制(外部委託に関する契約の管理)
バックアップと復元の確認 全般統制(運用・管理)

「人の手が入っているからITの統制ではない」とは考えず、その手続が個々の取引を守るのか、システムの土台を守るのかで見分けます。

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