問題 7★★☆

社内のセキュリティ基盤を更新するため、銀行から5年間で毎年均等に返済する条件で借入れを行った。 最初の決算日時点の借入残高のうち、翌年度に返済する分が表示される 貸借対照表の区分として、最も適切なものはどれか。

正解:ア

各選択肢の解説

  1. ア流動負債

    正解。返済義務があるので負債で、決算日の翌日から1年以内に返済期限が来るので流動負債です。 5年契約の借入れでも、翌年度に返す分だけは流動負債に移して表示します。

  2. イ固定負債

    誤り。固定負債は返済期限が1年を超える負債で、翌々年度以降に返す残りの分はこちらです。 「5年契約の長期借入れだから全額固定」と考えがちですが、区分を決めるのは契約期間ではなく、 決算日から見ていつ返済期限が来るかです。

  3. ウ純資産

    誤り。純資産は資本金や利益の積み上げなど、返済しなくてよい元手です。 借入れは設備投資の資金という点で元手に見えますが、銀行に返す義務があるので負債に入ります。

  4. エ流動資産

    誤り。借入れで受け取った現金のうち手元に残る分は流動資産ですが、それは資金の使い道の側です。 返済の義務は、資金をどこから集めたかを示す右側の負債に表示します。

理解を深めるために

長期の借入れも、来年返す分は流動負債

5年返済の借入れは、借りた時点では全体が長期の借入金です。ところが決算日を迎えるたびに、 「翌年度に返済する分」は1年以内に支払う負債になります。貸借対照表は契約の長さではなく、 決算日の翌日から1年以内に返済期限が来るかで負債を分けるので、その分は流動負債に表示します。

なぜ契約期間ではなく決算日から数えるのか

  • 貸借対照表は、決算日という一時点の財政状態を示す表
  • 流動負債と流動資産を比べると、1年以内に払う義務を1年以内に入る資金で賄えるかが分かる
  • 長期の借入れを全額固定負債のままにすると、来年の返済額が見えなくなり、支払能力を実際より良く見せてしまう

そのため、1年以内の返済分は「1年内返済予定の長期借入金」などとして流動負債に分けて表示し、 残りは固定負債に残します。

混同しやすいものとの違い

区分 中身 今回の借入れでは
流動負債 1年以内に返済期限が来る負債 翌年度に返す分
固定負債 返済期限が1年を超える負債 翌々年度以降に返す分
純資産 返済義務のない元手 当てはまらない
流動資産 1年以内に現金化・費用化される資産 借りて手元にある現金の側

負債かどうかは返済義務の有無で、流動か固定かは返済期限までの長さで決まります。 2段階で振り分けると迷いません。

前の問題へ次の問題へ