正解:エ
各選択肢の解説
ア残りの400万円は、繰延資産として計上しているから。
誤り。繰延資産は創立費や開業費など、換金価値のない支出のうち会計の基準が定める項目に限られます。 サーバは物として存在し、使えば価値が減っていく設備なので、繰延資産ではなく有形固定資産です。
イ残りの400万円は、流動負債として計上しているから。
誤り。代金を後払いにしていれば未払金という流動負債が残りますが、今回は支払い済みなので 負債は残りません。費用にならなかった分は、支払う義務ではなく、持っている資産として残ります。
ウ支払った500万円は、純資産から直接差し引いているから。
誤り。純資産が減るのは、費用が利益を減らした結果としてです。設備の購入代金を純資産から 直接差し引くことはありません。購入は、現金という資産がサーバという資産に置き換わる取引です。
エ購入額を有形固定資産とし、使う期間で費用に分けるから。
正解。サーバは5年使う形のある資産なので、購入額を有形固定資産に計上し、 減価償却で毎年100万円ずつ費用にします。残りの400万円は資産として貸借対照表に残っています。
理解を深めるために
払ったお金と、その期の費用は一致しない
長く使う設備を買うと、お金は買った時に一度に出ていきますが、費用は使う期間に分けて計上します。 500万円のサーバを5年使うなら、購入額はまず有形固定資産として貸借対照表に載り、 減価償却で毎年100万円ずつ損益計算書の費用に移っていきます。1年目の決算では、 費用になった100万円を除く400万円が、まだ資産として残っています。
3つの財務諸表にはどう表れるか
- 損益計算書:減価償却費100万円が費用として載る
- 貸借対照表:有形固定資産として、購入額から減価償却した分を除いた400万円が残る
- キャッシュフロー計算書:支払った500万円全額が、設備の購入として投資活動の支出に載る
経営層が見ている「払った額」はキャッシュフロー計算書の数字、「増えた費用」は損益計算書の数字です。 同じ取引でも、どの表を見るかで金額が違って見えます。
混同しやすいものとの違い
| 扱い | 中身 | 今回のサーバでは |
|---|---|---|
| 有形固定資産 | 1年を超えて使う形のある資産。減価償却で費用に分ける | 該当する |
| 繰延資産 | 換金価値のない支出のうち、基準が定める項目 | 該当しない |
| 流動負債 | 1年以内に支払う義務 | 支払い済みなので残らない |
| 純資産 | 返済義務のない元手と利益の積み上げ | 購入では直接は動かない |
セキュリティ製品を買い切りにするか、月額のサービスにするかで、費用の出方が変わります。 買い切りは使う年数に分けて費用にし、月額のサービスは使った期の費用になる、と押さえておきましょう。