正解:ア
各選択肢の解説
ア有形固定資産が残っていた価額分減り、同額を損失として計上する。
正解。廃棄したサーバは資産ではなくなるので、貸借対照表の有形固定資産から外します。 まだ費用になっていなかった残りの価額は、その期の損益計算書に損失(除却損)として計上します。
イ残っていた価額を繰延資産に移し、当初の耐用年数まで償却を続ける。
誤り。繰延資産は創立費や開業費など、基準が定める項目に限られます。 廃棄した設備の残りの価額を繰り延べることはできません。もう使わない物の価値は、 その期にまとめて損失にします。
ウ残っていた価額と同額の現金が出ていき、投資活動の支出になる。
誤り。サーバの代金は購入した時に支払い済みで、そのときに投資活動の支出になっています。 廃棄で減るのは帳簿上の価額だけで、現金は出ていきません。損失と現金の出入りは別物です。
エ廃棄した物は帳簿に残し、当初の耐用年数まで減価償却を続ける。
誤り。減価償却は、使い続ける資産の価額を使う期間に分けて費用にする仕組みです。 廃棄して使わなくなった物を帳簿に残すと、存在しない資産が貸借対照表に載り続けてしまいます。
理解を深めるために
使わなくなった設備は、残りの価額をその期の損失にする
設備の購入額は、使う年数に分けて減価償却で費用にしていきます。耐用年数の途中で廃棄すると、 まだ費用になっていない分(帳簿上の価額)が残ります。物がなくなった以上、資産として載せておく理由はないので、 貸借対照表の有形固定資産から外し、残っていた価額をその期の損失として損益計算書に計上します。
3つの財務諸表にはどう表れるか
- 貸借対照表:有形固定資産が、残っていた価額の分だけ減る
- 損益計算書:同じ額が固定資産の除却損として計上され、その期の利益が減る
- キャッシュフロー計算書:廃棄そのものでは現金は動かない(代金は購入時に支払い済み)
サポート切れのOSを使い続けると、修正プログラムが提供されず、脆弱性が放置されます。 前倒しの廃棄はその期の利益を押し下げますが、使い続けるリスクと比べて判断します。 廃棄の際は、記憶媒体のデータを復元できない方法で消去することも忘れずに行います。
混同しやすいものとの違い
| 扱い | 中身 | 廃棄した設備では |
|---|---|---|
| 除却(有形固定資産から外す) | 使わなくなった資産を帳簿から外し、残りの価額を損失にする | 該当する |
| 繰延資産への振替 | 基準が定める項目だけを数年に分けて費用にする | できない |
| 投資活動の支出 | 設備の購入などで現金が出ていく | 購入時に計上済み |
| 減価償却の継続 | 使い続ける資産の価額を期間に分ける | 使わないので続けない |
「損失が出る」ことと「現金が出ていく」ことは別だと押さえると、 損益計算書とキャッシュフロー計算書の役割の違いが見えてきます。