正解:イ
各選択肢の解説
ア氏名と会員IDを削除すれば加工は足りるので、116歳のような特異な年齢の記述もそのまま残す。
誤り。匿名加工情報の加工基準は、氏名などの削除だけでなく、個人識別符号や情報を連結する符号の削除、 特異な記述の削除・置換なども求めます。極端に珍しい値は、それだけで本人が推測されかねません。 「氏名を消せば匿名」という典型的な誤解です。
イ作成したら含まれる項目を公表し、提供時は項目と提供方法を公表して匿名加工情報だと明示する。
正解。匿名加工情報の作成者は、作成したときに含まれる個人に関する情報の項目を公表し、 第三者に提供するときは項目と提供方法を公表したうえで、相手に匿名加工情報であることを明示します。
ウ匿名加工情報は個人情報に当たらないので、加工方法の管理や項目の公表といった義務は生じない。
誤り。匿名加工情報は個人情報ではありませんが、だからこそ作成や提供のときに独自の義務があります。 加工基準に従うこと、削除した記述や加工方法の情報を安全に管理すること、項目を公表することなどです。 「個人情報でない=規制なし」と考えると、この義務を落とします。
エ作成した自社であれば、元の会員データと照合して、分析結果を個々の会員への提案に使ってよい。
誤り。匿名加工情報を作成した事業者自身も、本人を識別するために他の情報と照合することは禁止されています。 元データを持っている作成者なら戻せるので許されると考えがちですが、作成者にも照合禁止がかかります。
理解を深めるために
匿名加工情報は「外に出す代わりに、手続を表に出す」制度
匿名加工情報は、特定の個人を識別できず、元の個人情報に復元できないよう加工した情報です。 本人の同意なしに第三者へ提供できるのが特徴ですが、その代わりに、何を作り、何を渡したのかを 公表することが求められます。会員から見えないところでデータが流れないよう、手続を表に出す仕組みです。
作成者・提供者に何が求められるか
個人情報保護法は、匿名加工情報を作成する事業者に、次のような義務を定めています。
- 個人情報保護委員会規則の加工基準に従って加工する(特定の個人を識別できる記述の削除、個人識別符号の削除、情報を連結する符号の削除、特異な記述の削除、データベースの性質を踏まえた措置)
- 削除した記述や加工方法に関する情報が漏れないよう、安全管理のための措置を講じる
- 作成したときに、含まれる個人に関する情報の項目を公表する
- 第三者に提供するときは、項目と提供の方法を公表し、相手に匿名加工情報であることを明示する
- 作成者自身も、本人を識別するために他の情報と照合しない
受け取った調査会社の側にも、本人を識別するための照合の禁止がかかります。
混同しやすいものとの違い
| 計画の内容 | 判断 | 理由 |
|---|---|---|
| 項目の公表と、提供時の公表・明示 | 適切 | 作成・提供時の義務そのもの |
| 氏名とIDの削除だけで済ませる | 不適切 | 特異な記述の削除なども加工基準に含まれる |
| 個人情報でないので義務なしとする | 不適切 | 匿名加工情報には独自の義務がある |
| 作成者が元データと照合して使う | 不適切 | 作成者にも照合禁止がかかる |
試験では「誰に・何が禁止されるか」が問われます。照合の禁止は受け取った側だけでなく、 作成した側にもかかる点を押さえておきましょう。