正解:ウ
各選択肢の解説
ア個人への影響を評価する手順を定めた、JIS X 9251のプライバシー影響評価。
誤り。JIS X 9251 はプライバシー影響評価(PIA)の進め方、つまり評価の手順を示す規格です。 プライバシー保護の規格どうしなので混同しますが、関係者の役割や原則の土台を 揃えるのはフレームワークの側で、PIAはそれを使って個別の仕組みを評価する道具です。
イ個人情報保護の仕組みの要求事項を定めた、Pマークの基準のJIS Q 15001。
誤り。JIS Q 15001 は、個人情報保護マネジメントシステムを構築・運用するための 要求事項で、プライバシーマーク制度の審査の基準になります。組織が何を満たすべきかを 示すもので、関係者の呼び方や原則の共通語を揃えるための枠組みとは役割が違います。
ウ関係者の役割や保護の原則、用語を定めた、JIS X 9250のプライバシーフレームワーク。
正解。プライバシーフレームワーク(JIS X 9250)は、個人情報の本人・管理者・処理者 といった関係者の役割と、守るべきプライバシー原則、用語を定めた枠組みです。 方針や規程の言葉を揃える土台になります。
エ情報資産全般を守る仕組みの要求事項を定めた、ISMSの基準のJIS Q 27001。
誤り。JIS Q 27001 は情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の要求事項です。 対象は個人情報に限らない情報資産全般で、プライバシー保護の関係者の役割や原則を 定めたものではありません。
理解を深めるために
「共通の辞書」と「点検の手順書」
チームで話すとき、同じものを人によって「顧客」「利用者」「会員」と呼んでいると、 話がかみ合いません。まず辞書を揃え、そのうえで点検の手順書を使う、という順番になります。 プライバシー保護では、辞書にあたるのが プライバシーフレームワーク、 手順書にあたるのがプライバシー影響評価(PIA)です。
プライバシーフレームワークが定めるもの
プライバシーフレームワークは、国際規格 ISO/IEC 29100 に対応する JIS X 9250 にまとめられています。 中身は大きく3つです。
- 関係者の役割: 個人情報の本人(PII主体)、扱い方を決める管理者(PII管理者)、 管理者の代わりに処理する処理者(PII処理者)など
- 守るべき原則: 目的の正当性と明確化、収集の制限、本人の参加、透明性など
- 用語の定義: 上の役割や原則を語るための共通の言葉
PIAの規格(JIS X 9251)は、この枠組みを前提に、個別のサービスやシステムがプライバシーに どう影響するかを評価する手順を示しています。枠組みと原則か、評価の進め方かが区別の軸です。
混同しやすいものとの違い
| 規格 | 中身 | 使いどころ |
|---|---|---|
| JIS X 9250 | 関係者の役割・原則・用語の枠組み | 方針や規程の言葉を揃える |
| JIS X 9251 | プライバシー影響評価の手順 | 個別の仕組みを評価する |
| JIS Q 15001 | 個人情報保護マネジメントシステムの要求事項 | Pマークの審査基準 |
| JIS Q 27001 | ISMSの要求事項 | 情報資産全般の管理の仕組み |
試験では、番号の暗記より「枠組み・評価手順・認証の要求事項」のどれかを読み取れるかが 問われます。原則と役割の共通語ならフレームワークです。