正解:ア
各選択肢の解説
ア情報の流れを洗い出してプライバシーへの影響を評価し、対策を設計に反映するPIA。
正解。プライバシー影響評価(PIA)は、個人情報を扱う仕組みを作る前に、どの情報を どう流すかを洗い出してリスクを評価し、対策を設計に組み込む取組みです。
イサービス開始後に、取扱いが規程どおりに行われているかを点検する情報セキュリティ監査。
誤り。監査は、すでに動いている仕組みや運用を基準に照らして点検するものです。 どちらも「リスクを確かめる」ので混同しますが、実施するのが運用後なので、 設計を固める前に影響を洗い出すという条件に合いません。
ウ位置情報を扱う新サービスを始める旨を、事前に個人情報保護委員会へ届け出る手続。
誤り。新サービスを始めるたびに委員会へ届け出る一般的な制度はありません。委員会への 届出が要るのは、オプトアウトで第三者提供する場合などに限られます。届け出ても、 顧客への影響を評価して設計に反映したことにはなりません。
エリリース前に、疑似的な攻撃でシステムの弱点を探すペネトレーションテスト。
誤り。これはシステムに侵入できる弱点がないかを確かめる検査です。守る対象は システムで、正規の使い方のまま顧客の行動が把握されすぎる、といったプライバシーへの 影響は評価できません。時期もリリース前で、設計を固める前ではありません。
理解を深めるために
建ててから点検するのではなく、設計図の段階で確かめる
家を建ててから「この窓は隣の家から丸見えだ」と気づいても、直すのは大変です。 設計図の段階で確かめておけば、窓の位置を変えるだけで済みます。 プライバシー影響評価(PIA) は、個人情報を扱うサービスやシステムについて、 この「設計図の段階での確認」を行う取組みです。
PIAで何をするのか
PIAの手順は、国際規格 ISO/IEC 29134 に対応する JIS X 9251 にまとめられています。 大まかには次の流れです。
- どの個人情報を、どこで取得し、誰に渡し、いつ消すかという情報の流れを洗い出す
- その流れから、本人にどんな影響(想定外の追跡、目的外の利用、漏えいなど)が出うるかを評価する
- 影響を減らす対策(取得する項目を絞る、保存期間を決める、利用目的を明示するなど)を設計に組み込む
位置情報のように、本人が意識しないうちに行動まで分かってしまう情報は、影響が大きくなりやすい典型です。 作ってから直すより、作る前に対策を入れるほうが費用も手戻りも小さく済みます。 なお、PIAは一度で終わりではなく、仕組みを大きく変えるときにも見直します。
混同しやすいものとの違い
| 取組み | 何を確かめるか | 時期 |
|---|---|---|
| PIA | 本人のプライバシーへの影響 | 企画・設計の段階 |
| 情報セキュリティ監査 | 運用が基準どおりか | 運用後 |
| 個人情報保護委員会への届出 | (新サービスの一般的な届出制度は無い) | ― |
| ペネトレーションテスト | システムに侵入できる弱点 | リリース前 |
試験では「いつ行うか」と「何を守るか」の2点で見分けます。設計前に、本人への影響を 評価するのがPIAです。