問題 14★★★

利用目的を「当社及びグループ会社の商品の案内」と特定して会員情報を取得している企業が、 その会員の氏名とメールアドレスを子会社と共同で利用し、子会社の商品を案内したい。 本人の同意を得ずに進める方法として最も適切なものはどれか。

正解:イ

各選択肢の解説

  1. ア子会社は別の法人なので第三者に当たり、同意を得ない方法はない。

    誤り。別の法人でも、共同利用の要件を満たせば提供先は「第三者」に当たらず、同意は不要です。 委託・事業承継と並ぶ「第三者に当たらない」類型です。「法人が違えば必ず第三者」 というのは、この例外を知らないときの誤解です。

  2. イ共同利用する旨・項目・利用者の範囲・目的・管理責任者を、あらかじめ本人に通知する。

    正解。共同利用は、これらの事項をあらかじめ本人に通知するか、容易に知り得る状態に置けば 第三者提供に当たりません。取得時に特定した利用目的の範囲内で使うことも前提です。

  3. ウ子会社へ提供した後に、共同利用する旨と項目を遅滞なく本人に通知する。

    誤り。共同利用の通知等は、提供する「前」に行う必要があります。後から知らせるのでは、 本人は自分の情報がどこまで使われるかを事前に判断できません。 通知する中身が正しくても、時期が違えば要件を満たしません。

  4. エ子会社と業務委託契約を結べば委託に当たり、子会社の商品案内に使える。

    誤り。委託では、委託先は委託元の利用目的のために代わりに取り扱うだけで、 自社の商品案内のように委託先自身の目的では使えません。子会社が自分の事業に使うなら、 委託ではなく共同利用の要件を満たす必要があります。

理解を深めるために

共同利用は「事前に知らせておく」ことで第三者でなくなる

個人データを他の会社に渡すと、原則として第三者提供になり本人の同意が要ります。 ただし、グループ会社などと一緒に使う共同利用は、決められた事項を事前に本人へ知らせておけば、 相手は「第三者」に当たらず同意が要りません。「誰と、何を、何のために使うか、 誰が責任者か」を先に示しておくことで、本人が予想できる範囲の利用になる、という考え方です。

なぜそうなっているのか

共同利用で本人に通知するか、容易に知り得る状態に置く事項は次のとおりです。

  • 共同利用をする旨
  • 共同して利用される個人データの項目
  • 共同して利用する者の範囲
  • 利用する者の利用目的
  • 管理について責任を有する者の氏名または名称・住所(法人なら代表者の氏名)

これらは提供のあらかじめ行います。また、すでに取得している個人データを共同利用するときは、 取得時に特定した利用目的の範囲内で使う必要があります。この問題では利用目的にグループ会社の 商品の案内が含まれているので、この前提を満たしています。

混同しやすいものとの違い

類型 受け取った側が自分の目的で使えるか 同意以外に必要なこと
共同利用 使える(通知した目的の範囲で) 事前に5つの事項を通知等
委託 使えない(委託元のために扱うだけ) 委託先の監督
事業承継 使える(承継前の利用目的の範囲で) 合併・事業譲渡などに伴う提供であること
第三者提供(原則) 使える 本人の同意

試験では「子会社だから自由に使える」「委託にすれば使える」という選択肢が出ます。 受け取った側が誰の目的で使うのか、通知が事前か事後かで見分けましょう。

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