正解:ア
各選択肢の解説
ア自席のPCから社内LANを通じて、他部署のファイルサーバに同僚のIDとパスワードを入力してログインした。
正解。社内LANもネットワーク(電気通信回線)にあたり、ファイルサーバはID・パスワードで利用を制限しています。 そこへ他人の識別符号を入力して使える状態にしたので、ファイルを見ていなくても不正アクセス行為です。
イネットワークにつながっていない検査装置用のPCで、同僚のパスワードを入力してログオンした。
誤り。不正アクセス行為は、ネットワークにつながったコンピュータに、ネットワークを通じて入力する行為です。 他人のパスワードを使う点は同じでも、つながっていないPCに直接入力した場合はこの法律の対象外です。 主に社内規程で扱う問題になります。
ウ同僚のパスワードが書かれた付箋を、後でログインに使うつもりでスマートフォンで撮影して保存した。
誤り。これは識別符号の不正取得(不正保管)にあたる行為で、同じ法律で別に禁止されています。 ただし、まだ入力してログインしていないので、不正アクセス行為そのものではありません。 「手に入れる・持つ」段階と「入る」段階を分けて考えます。
エ私物PCから他社の公開Webサーバにポートスキャンを行い、開いているポートを調べただけで終えた。
誤り。ポートスキャンは、どのサービスが応答するかを調べる行為で、識別符号の入力も、 制限を免れる指令の入力もしていません。攻撃の下調べとして警戒すべき行為ですが、 利用制限を解いていないので不正アクセス行為にはあたりません。
理解を深めるために
「ネットワーク越しに、鍵を使って扉を開けたか」で決まる
不正アクセス行為は、ネットワークを通じて、他人の鍵(識別符号)を使う、または鍵を使わずに錠をこじ開ける ことで、利用が制限されたコンピュータを使える状態にする行為です。 扉を開けた時点で成立し、中の物に触ったかどうかは問いません。
成立に必要な要素
不正アクセス禁止法は、不正アクセス行為を次のような要素で定めています。
- 対象は、ネットワーク(電気通信回線)に接続し、アクセス制御機能で利用を制限しているコンピュータ
- ネットワークを通じて、他人の識別符号か、制限を免れる情報・指令を入力する
- その結果、制限されている利用ができる状態になる
- アクセス管理者自身による場合や、承諾を得ている場合は除く
社内LANも電気通信回線にあたるので、社外からの侵入に限らず、社内の同僚のIDを使ったログインも対象です。 一方、ネットワークにつながっていないPCは対象のコンピュータにあたりません。 付箋の撮影は、不正アクセス行為に使う目的での取得・保管として、別の条文で禁止されています。
混同しやすいものとの違い
| 行為 | 扱い |
|---|---|
| 社内LAN経由で他人のIDでログイン | 不正アクセス行為 |
| つながっていないPCに他人のパスワードで直接ログオン | ネットワークを通じていないので対象外(社内規程の問題) |
| 他人のパスワードを撮影して保存 | 識別符号の不正取得・不正保管(不正アクセス行為とは別の禁止行為) |
| 公開Webサーバへのポートスキャン | 制限を解いていないので不正アクセス行為ではない |
場面の問題では「ネットワーク経由か」「制限を解いて使える状態にしたか」の2点を順に確かめます。