問題 20★★☆

脅威情報のレポートに「同じランサムウェアが、互いに関係のない複数の攻撃グループに 使われている。開発者は自ら攻撃せず、実行者が得た身代金の一部を受け取っている」と あった。この分業の仕組みを表す用語として最も適切なものはどれか。

正解:イ

各選択肢の解説

  1. ア二重恐喝(多重恐喝)

    誤り。二重恐喝は、データを暗号化するだけでなく、盗んだ情報を公開すると脅して 支払いを迫る手口です。身代金をめぐる話なので結び付けやすいのですが、 被害者をどう脅すかの話で、攻撃者どうしの分業の仕組みではありません。

  2. イRaaS

    正解。RaaS(Ransomware as a Service)は、開発者がランサムウェアや攻撃の基盤を 提供し、実行者が攻撃して身代金を分け合う仕組みです。技術力の高くない者でも 攻撃を実行できるようになります。

  3. ウリークサイト

    誤り。リークサイトは、盗んだ情報を公開したり、公開すると予告したりするために 攻撃者が運営するサイトです。二重恐喝で脅しの道具に使われる場所であって、 開発者と実行者が報酬を分け合う仕組みそのものを指す用語ではありません。

  4. エダークウェブ

    誤り。ダークウェブは、特別なソフトウェアなどを使わないと接続できない、 匿名性の高いネットワーク上の領域の総称です。RaaSの募集や取引の場に なることはありますが、場所の呼び名であって分業の仕組みの名前ではありません。

理解を深めるために

ランサムウェアの「フランチャイズ」

本部が商品と看板とノウハウを提供し、加盟店が販売して売上の一部を本部に納める。 フランチャイズの仕組みです。RaaS(Ransomware as a Service)は、これをランサムウェア攻撃に 当てはめたもので、作る者と攻撃する者が分かれ、身代金を分け合う仕組みです。

なぜ脅威が広がるのか

従来は、ランサムウェアを作る技術と、攻撃を実行する技術の両方を持つ集団でなければ 攻撃できませんでした。RaaSでは役割が分かれます。

  • 開発者: ランサムウェアや、交渉・支払いの基盤を用意して提供する
  • 実行者: 侵入して攻撃し、得た身代金の一部を開発者に渡す

この結果、高度な技術を持たない者でも攻撃を実行できるようになり、同じランサムウェアが 無関係な複数のグループに使われます。攻撃の数が増え、手口の質も一定以上にそろいやすくなります。

混同しやすいものとの違い

用語 何を指すか
RaaS 開発者と実行者が分業し、身代金を分け合う仕組み
二重恐喝(多重恐喝) 暗号化に加え、情報の公開を予告して脅す手口
リークサイト 盗んだ情報を公開・予告するためのサイト
ダークウェブ 特別な手段でしか接続できない匿名性の高い領域

4つはどれもランサムウェア攻撃の話題に出てきますが、仕組み・手口・サイト・領域と、 指しているものの種類が違います。問題文が「誰が何を分担しているか」を述べていればRaaSです。

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