問題 25★★☆

部門で起きた次の事案のうち、自組織が「踏み台」にされた事例として 最も適切なものはどれか。

正解:ウ

各選択肢の解説

  1. ア社員が取引先を装うメールの指示に従い、偽の口座へ代金を振り込んだ。

    誤り。これはビジネスメール詐欺(BEC)で、自組織が直接お金をだまし取られた 被害者です。外部の攻撃者に利用された点は踏み台と似ていますが、 自組織の機器が他者への攻撃に使われたわけではありません。

  2. イ社内のサーバに外部から大量の通信が送られ、サービスが止まった。

    誤り。これはDoS攻撃(サービス妨害)を受けた事例で、自組織は攻撃の宛先です。 踏み台は攻撃の宛先ではなく、攻撃の通り道にされる側を指します。

  3. ウ乗っ取られた社内のサーバから、他社のサーバへ不正アクセスが行われた。

    正解。外部の攻撃者が自組織のサーバを乗っ取り、他社を攻撃する中継点として 使っています。相手先からは自組織が攻撃元に見えるので、被害者でありながら 加害の経路にもなります。

  4. エ社員が自分のIDで顧客データを持ち出し、外部の業者に売却した。

    誤り。これは内部不正で、自組織の正規の利用者本人が加害者です。社内から外へ 被害が出る点は踏み台と似ていますが、外部の攻撃者が自組織の機器を 中継に使ったのではありません。

理解を深めるために

自分の家の電話を勝手に使われる

他人が自分の家に忍び込み、その家の電話から別の人に脅迫電話をかけたとします。 かけられた側の着信履歴には、自分の家の番号が残ります。踏み台とは、この状況のように、 外部の攻撃者が自組織の機器を乗っ取り、他者への攻撃の中継点として使うことです。

なぜ踏み台が問題になるのか

踏み台にされた組織は、自分の情報が無事でも次の問題を抱えます。

  • 攻撃された相手先からは、自組織が攻撃元に見える
  • 相手先や関係機関への説明、調査への協力が必要になる
  • 機器の管理が不十分だったことが、取引先や利用者からの信頼を損なう

踏み台にされやすいのは、修正プログラムを当てていないサーバ、初期パスワードのままの機器、 外部からの中継を許す設定のメールサーバなどです。「自分たちが狙われる理由はない」と 考えて管理を緩めると、他者を攻撃する道具として使われます。

混同しやすいものとの違い

事案 自組織の立場 攻撃したのは誰か
踏み台 攻撃の中継点(被害者かつ経路) 外部の攻撃者が自組織の機器を使う
ビジネスメール詐欺(BEC) 金銭をだまし取られる被害者 外部の攻撃者
DoS攻撃 攻撃の宛先 外部の攻撃者
内部不正 加害者を内部に抱える 自組織の正規の利用者

踏み台かどうかは、攻撃の宛先が自組織か他者か、そして自組織の機器を 使ったのが外部の攻撃者かどうかで見分けます。

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