正解:イ
各選択肢の解説
アセキュリティに関係しそうな連絡は、利用者が内容に応じて情報セキュリティ担当へ直接連絡するように改める。
誤り。連絡先を利用者に選ばせると、窓口を一つにまとめる考え方(SPOC)が崩れます。 今回つまずいたのはサービスデスクの判断なので、同じ判断を利用者に移しても、 迷った利用者の連絡が記録に残らないまま埋もれるだけです。
イどのような連絡を、どの時点で、誰へ引き継ぐかというエスカレーションの基準を定め、受付の手順に組み込む。
正解。サービスデスクが自分で抱えずに回すべき連絡を、基準として手順に書いておきます。 「添付ファイルを開いた後の異常」のような兆候を基準に入れれば、 受付の時点で情報セキュリティ担当へ引き継げます。
ウサービスデスクの要員にマルウェアの駆除方法を教え、感染の疑いがある連絡はサービスデスクの中で解決まで対応させる。
誤り。一次対応の幅を広げるのは良いことですが、感染の疑いは広がりの確認や 端末の隔離など、専門の判断が要ります。窓口の中で閉じてしまうと、 今回と同じく情報セキュリティ担当に伝わらないまま終わります。
エ判断の誤りをなくすため、サービスデスクに届いたすべての連絡を、内容を問わず情報セキュリティ担当へ転送する。
誤り。すべてを転送すると、操作の問合せまで情報セキュリティ担当に積み上がり、 本当に急ぐ連絡が埋もれます。引き継ぐ必要のあるものを基準で選び出すのが エスカレーションで、全件転送は選別をやめているだけです。
理解を深めるために
「回すべき連絡」を受付の人が分かるようにする
コールセンターで、オペレーターが「この内容なら上席へ」「これは専門部署へ」と迷わず回せるのは、 回す条件が手元の手順書に書いてあるからです。 サービスデスクも同じで、自分で解決できない、または自分で抱えてはいけない連絡を、 対応できる担当へ引き継ぐことをエスカレーションと呼びます。
なぜ基準を決めておくのか
エスカレーションが遅れる原因の多くは、受付の人の「これは回すべきか」の判断が人によってぶれることです。 そこで、次のようなことを手順に書いておきます。
- どのような連絡を引き継ぐか(例: 添付ファイルを開いた後の異常、不審なメールの報告)
- どの時点で引き継ぐか(例: 受付の時点で、一次対応の時間を超えたら)
- 誰へ引き継ぐか(例: 情報セキュリティ担当、システムの担当部署)
引き継いだ後も、受付の記録と利用者への窓口はサービスデスクに残します。 窓口を一つにまとめておくことで、連絡が記録から漏れるのを防げます。
混同しやすいものとの違い
| 対策 | 何が起きるか |
|---|---|
| エスカレーションの基準 | 回すべき連絡を受付の時点で選び出し、対応できる担当へ渡す |
| 利用者が直接連絡 | 窓口が分かれ、判断の迷いが利用者に移るだけになる |
| 窓口の中で解決まで | 専門の判断が要る事象が担当に伝わらない |
| 全件の転送 | 選別がなくなり、急ぐ連絡が埋もれる |
試験では、引き継ぎが遅れた場面の再発防止は「何を、いつ、誰へ」を基準に定める選択肢を選び、 窓口を分ける・全件を回すといった極端な対策は外します。