正解:ア
各選択肢の解説
ア顧客に価値を生み、競合他社がまねしにくい、その企業の中核となる能力。
正解。自社の中で「ここだけは他社に負けない」と言える技術やノウハウのことです。 まねされにくいので、長く競争力の源になります。どこに経営資源を集中するかを 決める全体戦略の出発点になります。
イ市場成長率と市場占有率の2軸で事業を分類し、資金の配分を決める手法。
誤り。これはプロダクトポートフォリオマネジメント(PPM)の説明です。 同じ全体戦略の用語なので混同しやすいですが、PPMは複数の事業を並べて 資金の配り方を決める「分析手法」で、企業が持つ「能力」そのものではありません。
ウ優れた他社の業務のやり方を指標で比べ、自社との差から改善目標を立てる活動。
誤り。これはベンチマーキングの説明です。コアコンピタンスが自社の内側にある 強みを指すのに対し、ベンチマーキングは外の優良企業を物差しにして 自社を改善する活動です。向いている方向が逆です。
エ自社の業務の一部を、対価を払って外部の専門業者に任せること。
誤り。これはアウトソーシングの説明です。コアコンピタンスに経営資源を集中する ために、中核でない業務をアウトソーシングする、という組み合わせで使われるため 一緒に覚えられがちですが、指しているものは別です。
理解を深めるために
「他社がまねできない自社の得意技」
たとえば精密な小型モーターを作る技術を持つ会社が、その技術をカメラにも ドローンにも家電にも生かしているとします。個々の製品は入れ替わっても、 土台にある「小型モーターの技術」は変わらずに稼ぎ続けます。 このように、製品の奥にある中核の能力がコアコンピタンスです。
なぜ全体戦略で重視されるのか
経営資源(人・物・金・情報)は限られています。何にでも手を出すと、 どれも中途半端になります。そこで次の順で考えます。
- 自社のコアコンピタンスは何かを見極める
- そこに経営資源を集中する
- 中核でない業務はアウトソーシングなどで外部に任せる
コアコンピタンスと言えるのは、顧客にとって価値があり、他社がまねしにくく、 複数の事業に応用がきく能力です。単に「今よく売れている製品」のことではありません。
混同しやすいものとの違い
| 用語 | 何を指すか |
|---|---|
| コアコンピタンス | 他社がまねしにくい自社の中核能力 |
| PPM | 事業を2軸で分類し資金配分を決める手法 |
| ベンチマーキング | 優良他社と比べて改善目標を立てる活動 |
| アウトソーシング | 業務の一部を外部に任せること |
試験では「能力」「強み」「まねされにくい」と書かれていればコアコンピタンスです。 「手法」「活動」「任せる」と書かれている選択肢は別の用語を指しています。