問題 17★☆☆

経営戦略で用いられるコアコンピタンスの説明として、最も適切なものはどれか。

正解:ア

各選択肢の解説

  1. ア顧客に価値を生み、競合他社がまねしにくい、その企業の中核となる能力。

    正解。自社の中で「ここだけは他社に負けない」と言える技術やノウハウのことです。 まねされにくいので、長く競争力の源になります。どこに経営資源を集中するかを 決める全体戦略の出発点になります。

  2. イ市場成長率と市場占有率の2軸で事業を分類し、資金の配分を決める手法。

    誤り。これはプロダクトポートフォリオマネジメント(PPM)の説明です。 同じ全体戦略の用語なので混同しやすいですが、PPMは複数の事業を並べて 資金の配り方を決める「分析手法」で、企業が持つ「能力」そのものではありません。

  3. ウ優れた他社の業務のやり方を指標で比べ、自社との差から改善目標を立てる活動。

    誤り。これはベンチマーキングの説明です。コアコンピタンスが自社の内側にある 強みを指すのに対し、ベンチマーキングは外の優良企業を物差しにして 自社を改善する活動です。向いている方向が逆です。

  4. エ自社の業務の一部を、対価を払って外部の専門業者に任せること。

    誤り。これはアウトソーシングの説明です。コアコンピタンスに経営資源を集中する ために、中核でない業務をアウトソーシングする、という組み合わせで使われるため 一緒に覚えられがちですが、指しているものは別です。

理解を深めるために

「他社がまねできない自社の得意技」

たとえば精密な小型モーターを作る技術を持つ会社が、その技術をカメラにも ドローンにも家電にも生かしているとします。個々の製品は入れ替わっても、 土台にある「小型モーターの技術」は変わらずに稼ぎ続けます。 このように、製品の奥にある中核の能力がコアコンピタンスです。

なぜ全体戦略で重視されるのか

経営資源(人・物・金・情報)は限られています。何にでも手を出すと、 どれも中途半端になります。そこで次の順で考えます。

  • 自社のコアコンピタンスは何かを見極める
  • そこに経営資源を集中する
  • 中核でない業務はアウトソーシングなどで外部に任せる

コアコンピタンスと言えるのは、顧客にとって価値があり、他社がまねしにくく、 複数の事業に応用がきく能力です。単に「今よく売れている製品」のことではありません。

混同しやすいものとの違い

用語 何を指すか
コアコンピタンス 他社がまねしにくい自社の中核能力
PPM 事業を2軸で分類し資金配分を決める手法
ベンチマーキング 優良他社と比べて改善目標を立てる活動
アウトソーシング 業務の一部を外部に任せること

試験では「能力」「強み」「まねされにくい」と書かれていればコアコンピタンスです。 「手法」「活動」「任せる」と書かれている選択肢は別の用語を指しています。

前の問題へ次の問題へ