問題 18★★☆

複数の事業をもつ企業が、プロダクトポートフォリオマネジメント(PPM)を用いて 各事業への資金の配分を検討する。このとき事業を位置付けるために使う 2つの軸の組合せとして、最も適切なものはどれか。

正解:ウ

各選択肢の解説

  1. ア対象とする市場が既存か新規かと、扱う製品が既存か新規か

    誤り。これは成長マトリクス(アンゾフの成長マトリクス)の軸です。 どちらも2×2の4象限で描くため混同しやすいですが、成長マトリクスは 「これからどの方向に伸ばすか」を選ぶ道具で、今ある事業の資金配分は決めません。

  2. イ自社の内部の要因か外部の要因かと、有利に働くか不利に働くか

    誤り。これはSWOT分析の軸です。強み・弱み・機会・脅威の4つに整理しますが、 対象は1つの企業や事業を取り巻く環境で、複数の事業を並べて お金の配り方を決める道具ではありません。

  3. ウその事業の市場成長率と、その事業の市場占有率

    正解。市場が伸びているか(成長率)と、その市場で自社がどれだけ強いか (占有率)の2軸で、事業を花形・金のなる木・問題児・負け犬に分けます。 どの事業で稼ぎ、どの事業に投じるかを決めるのがPPMです。

  4. エ市場全体の魅力度と、その市場における自社の事業の強さ

    誤り。PPMを発展させたビジネススクリーン(GEマトリクス)の考え方で、 成長率や占有率だけでなく複数の要素で総合評価します。PPMはあえて 成長率と占有率という数値の2つに絞っている点が違います。

理解を深めるために

「伸びる市場か」と「そこで強いか」の2つで見る

ある会社が、スマートフォン向け部品、家庭用ゲーム機、フィルムカメラの 3事業を持っているとします。限られたお金をどこに回すかを決めるには、 事業を同じ物差しで並べる必要があります。PPMが使う物差しは2本だけです。

  • 市場成長率(縦軸):その市場はこれから伸びるか
  • 市場占有率(横軸):その市場で自社はどれだけのシェアを持つか

なぜこの2軸なのか

市場が伸びているときは、設備や広告にお金がかかります。 シェアが高ければ、大量に売れる分だけ稼ぎやすくなります。 この2つを組み合わせると、事業ごとの「お金の出入り」が見えてきます。

  • 成長率が高く占有率も高い … 花形
  • 成長率が低く占有率が高い … 金のなる木
  • 成長率が高く占有率が低い … 問題児
  • 成長率が低く占有率も低い … 負け犬

稼ぐ事業のお金を、育てたい事業に回す。この配分の判断がPPMの目的です。

混同しやすいものとの違い

手法 2つの軸
PPM 市場成長率 × 市場占有率
成長マトリクス 市場(既存・新規)× 製品(既存・新規)
SWOT分析 内部・外部 × 有利・不利
ビジネススクリーン 市場の魅力度 × 自社の事業の強さ

どれも4つのマスで描くため見た目が似ています。試験では軸の名前で見分けます。 「成長率」と「占有率(シェア)」の2語がそろっていればPPMです。

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