正解:ウ
各選択肢の解説
ア経済価値(Value)
誤り。その資源が顧客に価値を生み、機会を生かしたり脅威を退けたりするのに 役立つかを問う観点です。最初に確かめる入口の問いで、 他社に真似されやすいかどうかはまだ見ていません。
イ希少性(Rarity)
誤り。その資源を持つ企業が今どれだけ少ないかを問う観点です。 「真似しにくい」と混同しやすいですが、希少性は現時点の数、 模倣困難性は他社が後から追い付けるかという将来の話で区別します。
ウ模倣困難性(Imitability)
正解。他社が同じ資源を得るのに大きなコストや時間がかかるかを問う観点です。 ここを満たすと、優位が一時的なもので終わらず持続しやすくなります。
エ組織(Organization)
誤り。価値があり希少で真似しにくい資源を、生かすための体制や仕組みが 社内に整っているかを問う観点です。資源そのものではなく、 それを使いこなす側の備えを見る点が違います。
理解を深めるために
強みを4つの問いでふるいにかける
VRIO分析は、自社の経営資源(技術、人材、ブランド、設備など)が 本当に競争で勝てる強みなのかを、4つの問いに順に答えて確かめる手法です。 頭文字の V・R・I・O は、問いの順番にもなっています。
たとえば老舗の和菓子店の「職人の手作業の技」で考えると、
- お客が喜んで買う理由になっているか(経済価値)
- 同じ技をもつ店は少ないか(希少性)
- 他店が職人を育てて追い付くには何年もかかるか(模倣困難性)
- 技を受け継ぎ、商品に生かす仕組みが店にあるか(組織)
となります。
どこまで満たすと何が言えるのか
- 経済価値だけ → 他社と横並び(競争均衡)
- 経済価値と希少性 → 今は優位だが、真似されれば失われる(一時的な競争優位)
- さらに模倣困難性 → 優位が長続きする(持続的な競争優位)
- 組織は、ここまでの強みを実際に生かせるかを確かめる最後の問い
希少性と模倣困難性は取り違えやすい観点です。 希少性は「今、持っている会社が少ない」、模倣困難性は「これから真似しようとしても難しい」。 今は珍しくても、お金を出せばすぐ買える設備なら模倣困難性は低いと判断します。
混同しやすいものとの違い
| 観点 | 問うこと |
|---|---|
| 模倣困難性(Imitability) | 他社が手に入れる・真似するのにコストや時間がかかるか |
| 経済価値(Value) | 顧客に価値を生み、機会や脅威への対応に役立つか |
| 希少性(Rarity) | その資源を持つ企業が少ないか |
| 組織(Organization) | 資源を生かす体制や仕組みが整っているか |
試験では「真似されにくい」「追随が難しい」と書かれていれば模倣困難性、 「保有する企業が少ない」なら希少性と、時間の向きで見分けます。