正解:ア
各選択肢の解説
アブルーオーシャン戦略
正解。業界が競ってきた要素を減らしてコストを下げつつ、新しい価値を加え、 これまで顧客でなかった層を取り込んで競争のない市場を生む考え方です。 「減らす」と「加える」を同時に行い、非顧客に届いている点が決め手です。
イ差別化戦略
誤り。同じ市場の中で機能や品質に違いを付け、価格以外の理由で選ばれる戦略です。 新しい価値を加えた点は似ていますが、差別化は既存の競争軸で上回ろうとします。 F社は機能競争そのものから降りており、向きが違います。
ウニッチ戦略
誤り。既存市場の中で、大手が手を出しにくい小さな領域に資源を集中する戦略です。 狙う相手を絞った点が似て見えますが、F社は既存市場の隙間に入ったのではなく、 買っていなかった人の需要を新しく生み出しています。
エコストリーダーシップ戦略
誤り。業界で最も低い原価を実現し、同じ市場で価格を武器に優位に立つ戦略です。 価格を下げた点だけを見ると当てはまりそうですが、F社は新しい使い方を加えて 別の顧客層を開いており、安さだけで既存顧客を奪い合ってはいません。
理解を深めるために
競争の土俵から降りて、新しい海を開く
血で赤く染まるほど競争が激しい既存市場をレッドオーシャン、 競争相手のいない未開拓の市場をブルーオーシャンと呼びます。 ブルーオーシャン戦略は、他社と同じ物差しで勝とうとするのをやめ、 物差しそのものを組み替えて新しい需要を生み出す考え方です。
F社は「炊き分けの機能の多さ」という業界の物差しから降り、 機能を減らして価格を下げました。そのうえで「材料を入れるだけで一品」という これまでになかった価値を加え、炊飯器を買っていなかった層に届けています。
「減らす」と「加える」を同時に行う
- 業界が当然と思って競ってきた要素を、取り除く・減らす
- 業界がまだ提供していない価値を、増やす・付け加える
- その結果、コストの低さと新しい価値を同時に実現する
差別化戦略は価値を上乗せする分だけコストが上がりがちで、 コストリーダーシップ戦略は価値を据え置いて原価を下げます。 両方を同時に狙い、既存顧客ではなく非顧客を取り込むのがブルーオーシャン戦略の特徴です。
混同しやすい戦略との違い
| 戦略 | 考え方 |
|---|---|
| ブルーオーシャン戦略 | 競争軸を組み替え、非顧客の需要を新しく生む |
| 差別化戦略 | 既存の競争軸の上で、品質や機能の違いを打ち出す |
| ニッチ戦略 | 既存市場の小さな領域に資源を集中する |
| コストリーダーシップ戦略 | 最も低い原価を武器に、同じ市場で価格優位に立つ |
試験では「これまで顧客でなかった層」「業界の常識だった機能を省く」「競争のない市場」と 書かれていればブルーオーシャン戦略です。既存市場の中での位置取りなら他の3つを疑います。