正解:ア
各選択肢の解説
ア業務プロセスの視点
正解。社内の業務をどれだけ速く、正確に、効率よく回せているかを測る視点です。 出荷までの作業時間は、倉庫という社内の仕事の進め方そのものの指標です。
イ顧客の視点
誤り。顧客満足度やリピート率など、顧客から見た評価を測る視点です。 出荷が速いと顧客は喜ぶため混同しますが、作業時間は社内の仕事の測り方で、 その結果として顧客がどう感じたかを測るのが顧客の視点です。
ウ財務の視点
誤り。売上高や利益率など、株主から見た経営の成果をお金で測る視点です。 作業時間の短縮はいずれ費用の削減につながりますが、 金額ではなく業務の速さを測る指標なので財務の視点には入りません。
エ学習と成長の視点
誤り。社員の能力や意欲、情報システムの整備など、将来の改善を支える 土台を測る視点です。研修時間や資格取得者数ならこちらに入りますが、 日々の出荷作業の速さは業務そのものの成果です。
理解を深めるために
売上だけでなく、そこに至る道筋まで測る
利益や売上だけを見ていると、数字が落ちてから慌てることになります。 バランススコアカード(BSC)は、戦略の達成度を 財務・顧客・業務プロセス・学習と成長 の4つの視点から、バランスよく測るための枠組みです。
4つの視点は因果の鎖でつながっていると考えます。
- 学習と成長:社員が育ち、システムが整う
- 業務プロセス:その結果、社内の仕事が速く正確になる
- 顧客:その結果、顧客の満足が高まる
- 財務:その結果、売上や利益が伸びる
どの視点かは「誰の目で、何を測るか」で決まる
E社の「注文を受けてから出荷するまでの平均作業時間」は、 倉庫の中の仕事の進め方を直接測っています。したがって業務プロセスの視点です。
迷いやすいのは顧客の視点との境目です。 出荷が速くなれば顧客は喜びますが、それを測るなら「配送への満足度」や 「再購入率」のように顧客の反応そのものを指標にします。 原因の側(社内の作業)を測るか、結果の側(顧客の評価)を測るかで切り分けます。
混同しやすいものとの違い
| 視点 | 測るものの例 |
|---|---|
| 業務プロセスの視点 | 作業時間、不良率、納期遵守率 |
| 顧客の視点 | 顧客満足度、リピート率、市場シェア |
| 財務の視点 | 売上高、利益率、ROE |
| 学習と成長の視点 | 研修時間、資格取得者数、社員満足度 |
試験では指標を1つ示してどの視点かを問う形がよく出ます。 お金で測るなら財務、顧客の反応なら顧客、社内の仕事ぶりなら業務プロセス、人と仕組みの成長なら学習と成長です。