問題 25★★☆

家電メーカーのF社は、ある製品の部品ごとに果たしている機能を洗い出し、 必要な機能は落とさずに、より安価な材料や構造に置き換えて製品の価値を高めた。 F社が用いた手法はどれか。

正解:イ

各選択肢の解説

  1. アベンチマーキング

    誤り。業界内外の優れた企業のやり方と自社を比べ、差を埋める目標や手本にする 手法です。改善の手がかりを外に求める点が違い、 F社は他社と比べず、自社製品の機能とコストの関係を分析しています。

  2. イバリューエンジニアリング

    正解。価値を「機能÷コスト」ととらえ、必要な機能を保ったままコストを下げるなどして 価値を高める手法です。部品の機能から見直すF社の進め方がこれに当たります。

  3. ウコストリーダーシップ戦略

    誤り。業界で最も低いコストを実現し、価格で優位に立つという競争上の位置取りです。 コストを下げる点は似ていますが、機能を分析して置き換える個々の手法ではなく、 どう戦うかという方針の側の言葉です。

  4. エBPR(ビジネスプロセスリエンジニアリング)

    誤り。業務の流れを根本から見直し、組織や仕事の進め方を作り直す取組みです。 見直す対象が業務の進め方である点が違い、 F社が見直したのは製品を構成する部品と材料です。

理解を深めるために

「何のための部品か」から考え直す

ある部品に高価な金属が使われていたとします。単に値切るのではなく、 「この部品の役目は何か」を問い直すと、「本体を支えられればよい」とわかり、 強度の足りる樹脂に置き換えられることがあります。 これがバリューエンジニアリング(VE) の考え方です。

価値=機能÷コスト

VEでは、製品やサービスの価値を次の式でとらえます。

  • 価値 = 機能 ÷ コスト

価値を高める道筋は、この式から読み取れます。

  • 機能を保ったまま、コストを下げる(F社のケース)
  • コストを保ったまま、機能を高める
  • コストの増え方以上に、機能を高める

大切なのは、必要な機能を削ってまで安くするのではない点です。 品質を落とした値下げはVEではなく、単なるコスト削減になります。 製品の設計段階だけでなく、既存製品の見直しや、サービス・業務にも使われます。

混同しやすいものとの違い

用語 中身
バリューエンジニアリング 機能とコストの関係を分析して価値を高める手法
ベンチマーキング 優れた他社と比べて目標や手本を定める手法
コストリーダーシップ戦略 業界最低のコストで価格優位に立つ競争戦略
BPR(ビジネスプロセスリエンジニアリング) 業務の流れを根本から作り直す取組み

試験では「機能を低下させずにコストを下げる」「機能とコストの両面から価値を高める」 という表現が出たら、バリューエンジニアリングを選びます。

前の問題へ次の問題へ