問題 28★★☆

産業機械メーカーの取組みのうち、デジタルトランスフォーメーション(DX)に 当たるものとして、最も適切なものはどれか。

正解:ウ

各選択肢の解説

  1. ア紙で保管していた過去の点検記録をスキャンし、電子ファイルとして保存する。

    誤り。紙の情報をデジタルデータに置き換える段階で、デジタイゼーションと呼ばれます。 デジタル化の第一歩ですが、仕事の進め方も事業の形も変わっていません。

  2. イ電話とFAXで受けていた部品の注文を、Webの受注システムに切り替える。

    誤り。個別の業務の手順をデジタルで置き換える段階で、デジタライゼーションと呼ばれます。 業務は効率化されますが、何を売ってどう稼ぐかという事業の形は同じままです。

  3. ウ機械の稼働データを集め、故障前に保守する定額サービスへ事業を転換する。

    正解。データとデジタル技術を使って、製品の売り切りから サービスで稼ぐ形へとビジネスモデルそのものを変えています。 これがDXの中心にある「変革」です。

  4. エ老朽化した生産管理システムを、同じ機能のまま新しいサーバへ移し替える。

    誤り。システムの更改で、老朽化による停止のリスクを下げる保守的な取組みです。 DXの前提となる基盤の刷新にはなり得ますが、機能も業務も変わらないので それ自体は変革ではありません。

理解を深めるために

「デジタルにした」ではなく「デジタルで変えた」

紙をPDFにしても、注文をWebで受けても、会社が売っているものは同じです。 DXと呼べるのは、デジタルを使って稼ぎ方や顧客への価値の届け方まで変えたときです。 機械を売って終わりだった会社が、稼働データを使って 「止まらない状態」をサービスとして売るようになる。これが変革です。

デジタル化の三つの段階

経済産業省はデジタル化を次の三段階で整理しています。

  1. デジタイゼーション:アナログ・物理的な情報をデジタルデータにする
  2. デジタライゼーション:個別の業務や製造の工程をデジタル化する
  3. デジタルトランスフォーメーション:組織全体の業務をデジタル化し、 顧客起点の価値を生むために事業やビジネスモデルを変革する

段階が上がるほど、変わる範囲が「データ」から「業務」、「事業」へと広がります。

混同しやすいものとの違い

用語・取組み 何が変わるか
DX 事業・ビジネスモデル
デジタライゼーション 個別の業務の手順
デジタイゼーション 情報の形(紙→データ)
システムの更改 基盤だけ(機能・業務は同じ)

試験では「売り方・稼ぎ方が変わったか」を確かめます。 効率化で終わっているなら、DXの手前の段階です。

前の問題へ次の問題へ