正解:ア
各選択肢の解説
アDXの戦略と成果指標を定め、進み具合を投資家などに示して対話する。
正解。デジタルガバナンス・コードは、DX戦略の成果を指標で測って見直すことと、 その内容をステークホルダーに発信して対話することを経営者に求めています。 社外から評価されて初めて、取組みが企業価値に結び付きます。
イ各部署へのITツール導入を目標とし、その導入件数で達成度を測る。
誤り。ツールの導入は手段であり、導入件数が増えても事業や組織が変わったとは 限りません。デジタル化そのものを目的にしてしまう典型的な誤解で、成果指標は 売上や顧客価値など、DXで目指す姿にどれだけ近づいたかで設定します。
ウDXは技術の話なので推進を情報システム部門に任せ、報告だけを受ける。
誤り。DXはビジネスモデルや組織文化まで変える取組みなので、経営者自らが ビジョンを示し、戦略の推進に責任を持つことが求められます。技術の導入と 捉えて部門に一任するのは、経営者向けの指針であるコードの前提に反します。
エDXの取組みは競争上の秘密なので、社外には一切公表しない方針を取る。
誤り。個々の技術的なノウハウを伏せることはあっても、DXのビジョンや戦略、 成果を外に示さなければ、投資家や取引先は将来性を評価できません。 コードは柱の一つに「ステークホルダーとの対話」を置いています。
理解を深めるために
企業価値は「社外から見て」決まる
企業価値とは、その会社が将来どれだけの価値を生むと社外から見込まれているか、 ということです。社内でどれだけDXを頑張っても、何を目指していて、どこまで進んだのかが 外から見えなければ、投資家や取引先の評価は変わりません。
経済産業省のデジタルガバナンス・コードは、2024年9月の改訂(3.0)で 「DX経営による企業価値向上に向けて」という副題が付き、この点を強く打ち出しました。
コードが経営者に求めること
コードは、DX経営に必要な取組みを5つの柱として示しています。
- 経営ビジョン・ビジネスモデルの策定
- DX戦略の策定
- DX戦略の推進
- 成果指標の設定・DX戦略の見直し
- ステークホルダーとの対話
ビジョンを描き、戦略に落とし、指標で測って直し、その結果を外に語る、という 一続きの流れです。どの柱も主語は経営者であり、部門任せにはしていません。
誤答に置いた考え方との違い
| 取組み | コードとの関係 |
|---|---|
| 戦略と成果指標を定め、ステークホルダーと対話 | 柱4・柱5そのもの |
| ITツールの導入件数で測る | 手段の目的化。指標は目指す姿への到達度で置く |
| 情報システム部門に一任 | 経営者が責任を持つという前提に反する |
| 社外に一切公表しない | 柱5の対話を欠き、外から評価されない |
試験では「DXで企業価値を高めるには」と問われたら、経営者の関与と、 社外への発信・対話の2点を含む選択肢を探すと見分けやすくなります。