問題 32★★☆

C社は、全社の情報システム戦略に基づいて、物流部門の配送管理業務をシステム化することを決めた。 次に行うシステム化計画の立案で取り組む内容として、最も適切なものはどれか。

正解:ウ

各選択肢の解説

  1. ア全社の業務とシステムのあるべき姿を描き、部門をまたいだ全体最適化の方針を定める。

    誤り。これは情報システム戦略の策定で行うことです。どちらも「計画」の段階なので 混同しやすいですが、戦略は全社を対象に方向を決め、システム化計画はその方向に沿って 個別のシステム化案件を具体化します。C社はすでに戦略を受けて対象を決めた後の段階です。

  2. イ配送管理の画面ごとに、入力項目や表示内容、帳票の様式を利用者と確認して決める。

    誤り。これは要件定義、特に機能要件の定義で行う作業です。システム化計画で決めた範囲と 予算の中で、何ができればよいかを細かく詰めるのが要件定義です。画面や帳票の粒度まで 下りていれば、計画ではなく要件定義の段階と見分けます。

  3. ウシステム化の対象範囲や開発スケジュール、概算費用と期待効果を明らかにする。

    正解。システム化計画の立案では、どの業務をどこまでシステム化するか、いつまでに、 どれくらいの費用でどんな効果を得るかを定めます。投資してよいかを判断する材料になります。

  4. エ提案依頼書を作成して複数のベンダに示し、届いた提案書を比べて委託先を選ぶ。

    誤り。これは調達の段階で行うことです。提案依頼書(RFP)には要件を書き込むため、 要件定義を終えた後に作ります。システム化計画は、その前にシステム化の範囲や費用の 見通しを立てる段階であり、委託先はまだ選びません。

理解を深めるために

「何を・いつまでに・いくらで」を決める段階

家のリフォームにたとえると、情報システム戦略は「家族が暮らしやすい家にする」という 家全体の方針です。システム化計画は「まず台所を、来年春までに、300万円で直す。 家事の時間が減るはず」と、一つの工事の範囲と日程と予算を決める段階にあたります。 流し台の高さや引き出しの数を決めるのは、その後の要件定義です。

なぜこの順序なのか

情報システムの企画は、大きい話から細かい話へと段階的に進みます。

  • 情報システム戦略 — 経営戦略を受けて、全社のシステムのあるべき姿と全体最適化の方針を決める
  • システム化計画 — 個別の案件について、対象範囲、スケジュール、概算費用、期待効果、体制を決める
  • 要件定義 — 業務の流れや、システムに持たせる機能・性能を具体的に決める
  • 調達 — 要件をまとめた提案依頼書をベンダに示し、委託先を選ぶ

費用と効果の見通しがないまま細部を詰めると、途中で「そもそも投資に見合わない」と 分かって手戻りになります。計画の段階で投資判断の材料をそろえるのはそのためです。

混同しやすいものとの違い

段階 主に決めること
情報システム戦略 全社のあるべき姿、全体最適化の方針
システム化計画 対象範囲、スケジュール、概算費用、期待効果
要件定義 業務の流れ、画面・帳票などの機能、性能
調達 提案依頼書の提示、提案の評価、委託先の選定

選択肢に「全社」「方針」があれば戦略、「画面」「項目」があれば要件定義、 「ベンダ」「提案」があれば調達と読み分けると、システム化計画の説明が残ります。

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