正解:ウ
各選択肢の解説
ア全社の業務とシステムのあるべき姿を描き、部門をまたいだ全体最適化の方針を定める。
誤り。これは情報システム戦略の策定で行うことです。どちらも「計画」の段階なので 混同しやすいですが、戦略は全社を対象に方向を決め、システム化計画はその方向に沿って 個別のシステム化案件を具体化します。C社はすでに戦略を受けて対象を決めた後の段階です。
イ配送管理の画面ごとに、入力項目や表示内容、帳票の様式を利用者と確認して決める。
誤り。これは要件定義、特に機能要件の定義で行う作業です。システム化計画で決めた範囲と 予算の中で、何ができればよいかを細かく詰めるのが要件定義です。画面や帳票の粒度まで 下りていれば、計画ではなく要件定義の段階と見分けます。
ウシステム化の対象範囲や開発スケジュール、概算費用と期待効果を明らかにする。
正解。システム化計画の立案では、どの業務をどこまでシステム化するか、いつまでに、 どれくらいの費用でどんな効果を得るかを定めます。投資してよいかを判断する材料になります。
エ提案依頼書を作成して複数のベンダに示し、届いた提案書を比べて委託先を選ぶ。
誤り。これは調達の段階で行うことです。提案依頼書(RFP)には要件を書き込むため、 要件定義を終えた後に作ります。システム化計画は、その前にシステム化の範囲や費用の 見通しを立てる段階であり、委託先はまだ選びません。
理解を深めるために
「何を・いつまでに・いくらで」を決める段階
家のリフォームにたとえると、情報システム戦略は「家族が暮らしやすい家にする」という 家全体の方針です。システム化計画は「まず台所を、来年春までに、300万円で直す。 家事の時間が減るはず」と、一つの工事の範囲と日程と予算を決める段階にあたります。 流し台の高さや引き出しの数を決めるのは、その後の要件定義です。
なぜこの順序なのか
情報システムの企画は、大きい話から細かい話へと段階的に進みます。
- 情報システム戦略 — 経営戦略を受けて、全社のシステムのあるべき姿と全体最適化の方針を決める
- システム化計画 — 個別の案件について、対象範囲、スケジュール、概算費用、期待効果、体制を決める
- 要件定義 — 業務の流れや、システムに持たせる機能・性能を具体的に決める
- 調達 — 要件をまとめた提案依頼書をベンダに示し、委託先を選ぶ
費用と効果の見通しがないまま細部を詰めると、途中で「そもそも投資に見合わない」と 分かって手戻りになります。計画の段階で投資判断の材料をそろえるのはそのためです。
混同しやすいものとの違い
| 段階 | 主に決めること |
|---|---|
| 情報システム戦略 | 全社のあるべき姿、全体最適化の方針 |
| システム化計画 | 対象範囲、スケジュール、概算費用、期待効果 |
| 要件定義 | 業務の流れ、画面・帳票などの機能、性能 |
| 調達 | 提案依頼書の提示、提案の評価、委託先の選定 |
選択肢に「全社」「方針」があれば戦略、「画面」「項目」があれば要件定義、 「ベンダ」「提案」があれば調達と読み分けると、システム化計画の説明が残ります。