正解:ア
各選択肢の解説
アCさんと雇用契約を結んでいるのはB社で、日々の業務の指揮命令はA社が行う。
正解。労働者派遣は「雇う会社」と「指示を出す会社」が分かれる働き方です。 雇用契約は派遣元のB社、業務の指揮命令は派遣先のA社、という組み合わせが 派遣の基本形です。
イCさんと雇用契約を結んでいるのはA社で、B社は給与の支払いを代行している。
誤り。毎日働く場所がA社なので、A社が雇い主だと思い込みやすい誤解です。 派遣先のA社とCさんの間に雇用契約はありません。給与の支払いや社会保険の 手続きは、雇用主である派遣元のB社自身の責任です。
ウCさんと雇用契約を結んでいるのはB社で、業務の指揮命令もB社の責任者が行う。
誤り。雇用主が自社の労働者に指示を出すこの形は、請負契約の働き方です。 派遣では、指揮命令の権限が派遣先に移る点が請負との決定的な違いです。 指揮命令の所在で、派遣と請負を見分けます。
エA社がCさんと直接派遣契約を結び、B社はA社とCさんの間を仲介している。
誤り。求人と求職を結び付けて、雇用契約の成立をあっせんする職業紹介の形に 近い説明です。労働者派遣契約は派遣元と派遣先の会社どうしで結ぶもので、 派遣先と労働者が直接結ぶ契約ではありません。
理解を深めるために
雇う会社と、指示を出す会社が別
派遣社員として働く人は、毎朝「派遣先」の職場に出勤し、そこの社員から仕事の指示を 受けます。しかし給料を払っているのは派遣先ではなく、登録している「派遣会社」です。 この雇用と指揮命令が別々の会社に分かれていることが、労働者派遣の特徴です。
三者の間にある2本の契約と1本の関係
労働者派遣法が想定する関係は、次の三角形で整理できます。
- 派遣元(B社)とCさん:雇用契約。給与の支払い、社会保険、有給休暇の付与などは派遣元の責任
- 派遣元(B社)と派遣先(A社):労働者派遣契約。会社どうしの契約で、派遣料金や業務内容を定める
- 派遣先(A社)とCさん:契約はなく、指揮命令の関係だけがある
派遣先とCさんの間に雇用契約がないのに指示を出せるのは、派遣元と派遣先の契約が その根拠になっているからです。
混同しやすいものとの違い
| 働き方 | 雇用契約の相手 | 指揮命令するのは |
|---|---|---|
| 労働者派遣 | 派遣元 | 派遣先 |
| 請負 | 請負事業者(受注側) | 請負事業者(受注側) |
| 職業紹介 | 紹介された先の企業 | 紹介された先の企業 |
「誰と雇用契約を結び、誰の指示で働くか」の2点を並べると、3つの働き方は必ず区別できます。 請負なのに発注者が直接指示している状態が偽装請負、派遣先が受け入れた労働者を さらに別の会社へ派遣するのが二重派遣で、どちらもこの図式から外れた違法な形です。