正解:ウ
各選択肢の解説
ア事業者の説明が事実と異なっていた場合に限り、契約を解除できる。
誤り。これは消費者契約法の取消し(不実告知)の考え方です。クーリング・オフは 不意打ち的な勧誘から消費者を守る制度なので、解除の理由を示す必要がありません。 説明に問題があったかを問うのが消費者契約法、売り方で決まるのがクーリング・オフです。
イ解除すると、商品の返送費用と違約金は消費者が負担することになる。
誤り。クーリング・オフでは商品の引取り費用は販売業者の負担で、損害賠償や違約金を 請求されることもありません。負担があると解除をためらわせるためです。送料を 消費者が負担するのは、通信販売で商品を返品する場合のほうです。
ウ法定の書面を受け取った日から8日以内なら、理由を問わず解除できる。
正解。訪問販売では、法律で決められた書面を受け取った日から数えて8日以内なら、 書面または電磁的記録で通知して、理由を問わず契約を解除できます。
エ同じ浄水器を通信販売で買った場合も、同じ条件でクーリング・オフできる。
誤り。通信販売にはクーリング・オフの制度がありません。自分で広告を見て申し込む ため不意打ちにならないからです。代わりに商品の受取りから8日以内の返品制度が ありますが、送料は消費者負担で、広告に返品特約があればそちらが優先します。
理解を深めるために
不意打ちで結んだ契約に「頭を冷やす期間」を与える制度
玄関先で販売員に熱心に勧められると、よく考えないまま契約してしまうことがあります。 クーリング・オフは、こうした不意打ち的な勧誘で結んだ契約について、一定期間なら 消費者が一方的に、理由を問わず解除できるようにする制度です。特定商取引法が、 訪問販売や電話勧誘販売などの取引形態ごとに定めています。
訪問販売のクーリング・オフのルール
- 期間 — 法律で決められた書面を受け取った日から数えて8日以内
- 方法 — 書面または電磁的記録(電子メールや専用フォームなど)で通知する
- 費用 — 商品の引取り費用は販売業者の負担。損害賠償や違約金も払わなくてよく、 支払済みの頭金などは返してもらえる
期間は取引形態によって違い、電話勧誘販売も8日ですが、マルチ商法にあたる 連鎖販売取引などは20日です。一方、通信販売にはクーリング・オフがありません。 消費者が自分から広告を見て申し込む取引で、不意打ちの要素がないためです。
混同しやすいものとの違い
| 制度 | 使える条件 | 費用の負担 |
|---|---|---|
| クーリング・オフ(訪問販売) | 書面の受領から8日以内なら理由不要 | 事業者 |
| 通信販売の返品制度 | 受取りから8日以内。ただし返品特約が優先 | 消費者(送料) |
| 消費者契約法の取消し | 事実と異なる説明などで誤認して契約した | 取消しの効果として清算 |
「理由を問わない」「8日以内」「訪問販売」がそろえばクーリング・オフ、 「通信販売」とあれば返品特約の表示を確認する場面、と読み分けます。