問題 36★★★

自宅を訪れた販売員の勧誘を受けて、浄水器の購入契約を結んだ。数日後に考え直した 消費者が、特定商取引法のクーリング・オフを使おうとしている。この場面の説明として 最も適切なものはどれか。

正解:ウ

各選択肢の解説

  1. ア事業者の説明が事実と異なっていた場合に限り、契約を解除できる。

    誤り。これは消費者契約法の取消し(不実告知)の考え方です。クーリング・オフは 不意打ち的な勧誘から消費者を守る制度なので、解除の理由を示す必要がありません。 説明に問題があったかを問うのが消費者契約法、売り方で決まるのがクーリング・オフです。

  2. イ解除すると、商品の返送費用と違約金は消費者が負担することになる。

    誤り。クーリング・オフでは商品の引取り費用は販売業者の負担で、損害賠償や違約金を 請求されることもありません。負担があると解除をためらわせるためです。送料を 消費者が負担するのは、通信販売で商品を返品する場合のほうです。

  3. ウ法定の書面を受け取った日から8日以内なら、理由を問わず解除できる。

    正解。訪問販売では、法律で決められた書面を受け取った日から数えて8日以内なら、 書面または電磁的記録で通知して、理由を問わず契約を解除できます。

  4. エ同じ浄水器を通信販売で買った場合も、同じ条件でクーリング・オフできる。

    誤り。通信販売にはクーリング・オフの制度がありません。自分で広告を見て申し込む ため不意打ちにならないからです。代わりに商品の受取りから8日以内の返品制度が ありますが、送料は消費者負担で、広告に返品特約があればそちらが優先します。

理解を深めるために

不意打ちで結んだ契約に「頭を冷やす期間」を与える制度

玄関先で販売員に熱心に勧められると、よく考えないまま契約してしまうことがあります。 クーリング・オフは、こうした不意打ち的な勧誘で結んだ契約について、一定期間なら 消費者が一方的に、理由を問わず解除できるようにする制度です。特定商取引法が、 訪問販売や電話勧誘販売などの取引形態ごとに定めています。

訪問販売のクーリング・オフのルール

  • 期間 — 法律で決められた書面を受け取った日から数えて8日以内
  • 方法 — 書面または電磁的記録(電子メールや専用フォームなど)で通知する
  • 費用 — 商品の引取り費用は販売業者の負担。損害賠償や違約金も払わなくてよく、 支払済みの頭金などは返してもらえる

期間は取引形態によって違い、電話勧誘販売も8日ですが、マルチ商法にあたる 連鎖販売取引などは20日です。一方、通信販売にはクーリング・オフがありません。 消費者が自分から広告を見て申し込む取引で、不意打ちの要素がないためです。

混同しやすいものとの違い

制度 使える条件 費用の負担
クーリング・オフ(訪問販売) 書面の受領から8日以内なら理由不要 事業者
通信販売の返品制度 受取りから8日以内。ただし返品特約が優先 消費者(送料)
消費者契約法の取消し 事実と異なる説明などで誤認して契約した 取消しの効果として清算

「理由を問わない」「8日以内」「訪問販売」がそろえばクーリング・オフ、 「通信販売」とあれば返品特約の表示を確認する場面、と読み分けます。

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