問題 29★★☆

G社は、主力の高機能モデルに加えて、機能を絞った低価格モデルを発売した。 低価格モデルはよく売れたが、その分だけ高機能モデルの売上が減り、 会社全体の売上はほとんど増えなかった。この現象を表す言葉はどれか。

正解:エ

各選択肢の解説

  1. アコモディティ化

    誤り。他社製品との差がなくなり、どれを選んでも同じとみなされて 価格でしか選ばれなくなる状態です。売上が奪われる相手が他社である点が 違います。設問で売上を奪っているのは自社の新製品です。

  2. イプロダクトポートフォリオ

    誤り。複数の製品を市場の成長率とシェアで位置づけ、どこに資源を配分するかを 考える枠組みです。起きた現象の名前ではなく、経営側の管理の手法にあたります。 共食いを早く見つける道具としては役立ちます。

  3. ウプロダクトライフサイクルの衰退期

    誤り。市場そのものが縮小し、その製品の需要が減っていく段階です。 設問では市場が縮んだのではなく、需要が自社の別モデルへ移っただけです。 市場全体が減ったのか、社内で移ったのかで区別します。

  4. エカニバリゼーション

    正解。自社の製品どうしが同じ顧客を奪い合い、全体では増えない状態です。 共食いと呼ばれ、狙う顧客層や価格帯が重なっているときに起こります。

理解を深めるために

敵は他社とは限らない

カニバリゼーションは、自社の製品どうしが同じ顧客を取り合ってしまう現象です。 共食いとも呼ばれます。新製品は売れているのに会社全体の数字が伸びないとき、 奪った相手が自社の既存製品だった、というのが典型です。

実店舗と自社の通販サイト、旧モデルと新モデルのように、 狙う顧客層や価格帯が重なるほど起こりやすくなります。

なぜ起こり、どう向き合うか

  • 顧客層・価格帯・販売チャネルが重なると、顧客は安いほう・新しいほうへ移る
  • 防ぐには、対象の顧客や用途をはっきり分けて製品ごとの役割を決める
  • 製品単位ではなく、製品群全体の売上と利益で効果を測る

ただし、共食いが常に悪いわけではありません。他社に奪われるくらいなら 自社で置き換えるほうがよい、と判断して新製品を出す場合もあります。

売上が減った理由を切り分ける

用語 何を指すか
カニバリゼーション 自社製品どうしが顧客を奪い合う現象
コモディティ化 他社と差がなくなり価格でしか選ばれない状態
衰退期 市場そのものが縮小していく段階
プロダクトポートフォリオ 複数製品への資源配分を考える枠組み

試験では「誰が売上を奪ったのか」が手掛かりです。 自社なら共食い、他社なら競争、市場全体なら衰退期と読み分けてください。

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