問題 41★★☆

K社の家計簿アプリの開発チームでは、利用者からの機能追加の要望が増え、 どれを採用するかの判断が担当者ごとに割れている。判断のよりどころとして チームで共有しておくプロダクトビジョンの説明として、最も適切なものはどれか。

正解:ア

各選択肢の解説

  1. アプロダクトが誰にどのような価値を届け、将来どんな姿を目指すのかを示したもの。

    正解。プロダクトビジョンは、プロダクトが目指す将来の姿と届けたい価値を 言葉にしたものです。要望を採用するかどうかは、この姿に近づくかで判断できます。

  2. イプロダクトに今後加える機能や改修を、優先順位の高い順に並べて一覧にしたもの。

    誤り。これはプロダクトバックログの説明です。どちらも開発の判断に使うので 混同しますが、こちらは「何を作るか」の一覧です。その優先順位を決める 基準になるのがビジョンで、順序としてはビジョンが先にあります。

  3. ウプロダクトの主な機能をいつ頃提供するのかを、時間軸に沿って並べて示したもの。

    誤り。これはプロダクトロードマップの説明です。将来のことを示す点が 似ていますが、こちらは「いつ何を出すか」の計画です。 ビジョンは時期や機能ではなく、目指す姿そのものを示します。

  4. エ自社の複数のプロダクトを位置付け、経営資源をどう配分するかを検討する枠組み。

    誤り。これはプロダクトポートフォリオの説明です。名前が似ていますが、 複数のプロダクトを見比べて投資先を決めるためのものです。 ビジョンは一つのプロダクトの中で、向かう先を定めるものです。

理解を深めるために

迷ったときに立ち返る「行き先」

プロダクトビジョンは、そのプロダクトが誰にどのような価値を届け、 将来どんな姿を目指すのかを言葉にしたものです。登山にたとえると、 どの山の頂上を目指すのかにあたります。道順や持ち物は後から決まります。

設問のチームは、要望を採用するかどうかで判断が割れています。 要望はどれも「あれば便利」なので、一つずつ見ても優劣がつきません。 目指す姿に近づくかどうかという共通の物差しがあって初めて選べます。

ビジョンがあると何が変わるか

  • 機能の採否や優先順位を、担当者の好みではなく同じ基準で決められる
  • 作らないものを決められる(目指す姿に合わない要望は見送る)
  • 開発・営業・サポートなど、立場の違う人が同じ方向を向ける

たとえば「家計管理が苦手な人でも、毎日1分で続けられる」という姿を掲げていれば、 上級者向けの複雑な分析機能は優先度が下がる、と判断できます。

目指す姿、道順、作るものの違い

用語 示すもの
プロダクトビジョン 誰にどんな価値を届け、どんな姿を目指すか
プロダクトロードマップ いつ頃、何を提供するか(時間軸の計画)
プロダクトバックログ 作る機能や改修の、優先順位付きの一覧
プロダクトポートフォリオ 複数のプロダクトへの資源配分を考える枠組み

「目指す姿」「届ける価値」とあればビジョン、「時期」ならロードマップ、 「一覧」「優先順位」ならバックログと読み分けてください。

前の問題へ次の問題へ