正解:イ
各選択肢の解説
ア生産計画と部品構成表から、部品ごとの必要量と時期が計算されたとき。
誤り。これはMRP(資材所要量計画)の考え方です。どちらも部品を過不足なく そろえる仕組みですが、MRPは計画から計算して前工程に作らせる「押し出し型」です。 かんばん方式は、実際に使われた分に応じて作る「引き取り型」です。
イ後工程が部品を引き取り、外されたかんばんが生産の指示として届いたとき。
正解。後工程が使った分だけ部品を取りに行き、外れたかんばんがそのまま 「この分を作れ」という指示になります。使われていない部品は作られません。
ウ設備を遊ばせないよう、前のロットを作り終えて機械が空いたとき。
誤り。機械の稼働率を上げれば効率がよいと考えがちですが、後工程が必要としていない 部品まで作ることになります。これは作りすぎのムダで、かんばん方式が なくそうとしている状態そのものです。
エ欠品に備え、工程の間に置く在庫を多めに持つよう指示されたとき。
誤り。在庫を厚くすれば欠品は防げますが、かんばん方式の狙いとは向きが逆です。 かんばん方式は、必要なものを必要なときに必要な量だけ作るJITを実現する手段で、 工程間の在庫をできるだけ少なくすることを目指します。
理解を深めるために
使った分だけ補充する
コンビニの棚を思い浮かべてください。売れて空いた分だけが補充され、 売れていない商品が倉庫から次々に運ばれてくることはありません。 かんばん方式はこれを工場の工程間で行う仕組みで、後工程が使った分だけを前工程が作ります。
なぜ「後ろから」なのか
- 後工程は、必要になった部品を前工程の置き場へ取りに行く(後工程引取り)
- 部品に付いていた「かんばん」(部品名や数量を書いた札)が外れ、前工程に回る
- 前工程は、戻ってきたかんばんに書かれた分だけを作る
実際の消費が生産の合図になるので、作りすぎと工程間の在庫が減ります。 これが**JIT(必要なものを、必要なときに、必要な量だけ)**を実現する具体的な手段です。 JITを柱の一つにムダを徹底してそぎ落とす生産のしかた全体は、リーン生産方式と呼ばれます。
混同しやすいものとの違い
| 生産を始める合図 | 考え方 |
|---|---|
| 後工程が引き取ったかんばん | かんばん方式(引き取り型) |
| 計画から計算した必要量 | MRP(押し出し型) |
| 機械が空いたこと | 稼働率優先。作りすぎのムダを生む |
| 在庫を多めに持つ指示 | 欠品対策だが、JITとは逆向き |
試験では「後工程が前工程から引き取る」「在庫を減らす」がかんばん方式の目印です。 計画から逆算して指示を出すMRPとは、生産を始める合図が違います。