正解:エ
各選択肢の解説
アERP(企業資源計画)
誤り。ERPは販売・購買・会計・人事などの基幹業務を全社で統合して管理する仕組みです。 生産計画も扱うため混同しやすいですが、ERPは全社の計画と経営資源を見る層で、 ラインごとの作業指示や実績をその場で集める工場の現場管理はMESの役割です。
イSCM(サプライチェーンマネジメント)
誤り。SCMは調達から製造、物流、販売までを企業の枠を越えてつなぎ、 在庫や供給を最適化する考え方です。「生産」を含む点が似ていますが、 見ている範囲は取引先を含む供給の流れ全体で、工場内の作業の管理ではありません。
ウFA(ファクトリーオートメーション)
誤り。FAはロボットや制御装置などで生産設備を自動で動かし、工場の作業を自動化する取組みです。 工場の現場を扱う点で近いですが、FAが担うのは設備を動かすことです。 作業の指示や実績・履歴を集めて管理する層は、その上に置くMESが担います。
エMES(製造実行システム)
正解。MESは計画と設備の間に立ち、現場への作業指示と実績・品質情報の収集を行って、 工程の進み具合やロットごとの製造履歴を管理するシステムです。
理解を深めるために
計画と機械の間をつなぐ現場監督
本社のシステムが「今週はこの製品を1万個」と計画を立てても、それだけでは工場は動きません。 どのラインで、いつ、どの材料を使って作るかを指示し、実際にどこまで進んだか、 検査に合格したかを確かめる役が要ります。 MES(製造実行システム)は、この工場の現場で生産を実行・管理する役割をシステムで担うものです。
MESが担うこと
- 生産計画を、ラインや作業者ごとの作業指示に落とし込む
- 設備や作業者から、生産数・作業時間・検査結果などの実績をその場で集める
- 進み具合を見える化し、遅れや不良にすぐ気づけるようにする
- どのロットをいつ、どの材料と設備で作ったかという製造履歴を残す
製造履歴が残るので、不良品が見つかったときに対象のロットをさかのぼって特定できます (トレーサビリティ)。食品や医薬品の工場で特に重視される理由です。
混同しやすいものとの違い
システムが見ている範囲の広さで並べると、層の違いがはっきりします。
| 用語 | 見ている範囲 |
|---|---|
| SCM | 取引先を含む、調達から販売までの供給の流れ全体 |
| ERP | 自社の基幹業務全体と経営資源 |
| MES | 工場の現場での作業指示・実績収集・進捗と履歴 |
| FA | 生産設備そのものの自動運転 |
試験で「作業指示」「実績収集」「製造現場」が並んだらMESです。 「設備の自動化」ならFA、「全社の統合」ならERPと切り分けましょう。