問題 24★★☆

生産の考え方であるJIT(ジャストインタイム)の説明として、最も適切なものはどれか。

正解:ウ

各選択肢の解説

  1. ア異常が起きたら機械や工程を止め、不良品を後工程に流さない考え方。

    誤り。これは「自働化」の説明です。トヨタ生産方式ではJITと並ぶ柱とされるため、 セットで覚えて混同しがちです。自働化は不良を流さない「品質」の側、 JITは必要な分だけ作る「量とタイミング」の側と区別します。

  2. イ後工程が外したかんばんを前工程へ回し、使った分の生産を指示する仕組み。

    誤り。これはかんばん方式の説明です。JITを実現する代表的な手段なので同じものと 思われがちですが、層が違います。JITは「何を目指すか」という考え方、 かんばん方式は「それをどう実現するか」という具体的な道具です。

  3. ウ必要なものを必要なときに必要な量だけ作って届け、在庫のむだを減らす考え方。

    正解。早すぎも多すぎもしないことが要点です。作りすぎや工程間の在庫は お金と場所を寝かせるむだと考え、それを減らすことを狙います。

  4. エ段取り替えの回数を減らすため、同じ部品をまとめて作りだめしておくやり方。

    誤り。まとめて作るロット生産の発想です。段取り替えが減るので効率的に見えますが、 すぐには使わない部品が在庫として積み上がります。JITはむしろ段取り替えを短くして、 小さな単位で必要な分だけ作る方向を目指します。

理解を深めるために

冷蔵庫に買いだめしない料理

夕食の分だけをその日に買う家庭を思い浮かべてください。特売でまとめ買いすると 一見お得ですが、冷蔵庫が埋まり、使い切れずに傷む食材が出ます。 JITは工場でこの「その日の分だけ」を徹底する考え方で、 必要なものを、必要なときに、必要な量だけ作り、届けます。

なぜ在庫を「むだ」と見るのか

在庫は欠品への安心材料に見えますが、次のような負担を抱えています。

  • 部品や製品を作るのに使ったお金が、売れるまで回収できない
  • 置き場所や管理の手間がかかる
  • 多すぎる在庫の陰に、不良や工程の遅れといった問題が隠れる

JITはこれらを減らすため、後工程が必要とする分に合わせて前工程が作るよう 生産の流れを組み立てます。そのための具体的な道具がかんばん方式です。 考え方(JIT)と、それを実現する手段(かんばん方式)という関係にあります。

混同しやすいものとの違い

用語 何を指すか
JIT 必要なものを必要なときに必要な量だけ作る考え方
かんばん方式 JITを実現するため、使った分の札で生産を指示する仕組み
自働化 異常時に止めて不良を流さない考え方。JITと並ぶ柱
ロット生産 まとめて作って段取り替えを減らす。在庫は増えやすい

問題文が「在庫を減らす」「必要な分だけ」という狙いを述べていればJIT、 「札」「後工程が引き取る」という手順を述べていればかんばん方式です。

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