問題 10★★☆

A社は、取引先から求められたため、外部の専門会社に自社のシステム監査を依頼した。 この監査は任意監査に分類される。その理由として、最も適切なものはどれか。

正解:イ

各選択肢の解説

  1. ア監査の結果を、法令に基づく行政機関ではなく経営者に報告するから。

    誤り。報告先は分類の基準ではありません。報告先が経営者であることは任意監査に多いため 混同しがちですが、法定か任意かは「法令で受けることが義務付けられているか」だけで決まります。

  2. イ監査を受けることが、法令によって義務付けられていないから。

    正解。法定監査と任意監査を分けるのは、法令上の義務の有無です。 取引先の求めは契約や取引上の事情であって法令ではないため、任意監査になります。

  3. ウ監査の対象が、財務諸表ではなく情報システムだから。

    誤り。これは「何を見るか」の分類(会計監査かシステム監査か)の基準です。 システム監査は原則として任意監査ですが、それは対象がシステムだからではなく、 法令がシステム監査を受けることを一般に義務付けていないからです。

  4. エ監査を、組織の内部の者ではなく外部の専門会社が行うから。

    誤り。これは内部監査か外部監査かを分ける基準です。実施するのが外部の者でも、 上場企業の財務諸表監査のように法定監査になるものがあるので、任意の理由にはなりません。

理解を深めるために

法定か任意かは「法令の義務があるか」だけで決まる

健康診断にたとえると分かりやすくなります。会社員が受ける定期健康診断は、 法律で会社に実施が義務付けられています。一方、自分で申し込む人間ドックは、 受けるかどうかを本人が決めます。どちらも病院の外部の医師が診ることに変わりはありません。 義務かどうかは、誰が診るかとは関係がないのです。

監査も同じで、法令で受けることが決まっていれば法定監査、 組織が自ら決めて受けるものは任意監査です。

なぜA社の監査は任意監査なのか

  • 監査を受けるきっかけは取引先の求めで、法令の定めではない
  • 取引先との約束は契約上の事情であり、法令上の義務とは別物
  • 経済産業省の「システム監査基準」も、システム監査を任意監査と位置付けている

外部の専門会社に依頼したことで「外部監査」には当たりますが、 それで法定監査に変わるわけではありません。

混同しやすい基準との違い

分類 何で分けるか
法定監査/任意監査 法令で受けることが義務付けられているか
内部監査/外部監査 監査する者が組織の内部の者か、外部の第三者か
会計監査/システム監査など 何を対象に監査するか
(分類の基準ではない) 監査結果の報告先

試験では「外部の専門家が行うから法定」「システムが対象だから任意」のように、 別の軸の理由を混ぜた選択肢が出ます。法定か任意かを問われたら、 法令の義務があるかどうかだけを見て判断しましょう。

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