正解:ア
各選択肢の解説
ア内部監査室に任せても、外部の専門家に依頼しても、システム監査として成り立つ。
正解。システム監査は原則として法令で義務付けられていない任意監査なので、 誰に行わせるかは組織が決められます。独立した内部監査室が行う内部監査でも、 外部の専門家による外部監査でも成立します。
イシステム監査は法定監査なので、法令が定める資格を持つ外部の監査人に依頼する。
誤り。上場企業の財務諸表監査が法定で公認会計士などに限られることからの類推ですが、 システム監査は原則として任意監査です。システム監査を行う者に、 法令で独占的に認められた資格の要件はありません。
ウ社内の監査室では独立性を保てないので、外部の専門家に依頼しなければならない。
誤り。独立性は「監査対象から独立しているか」で判断します。 開発にも運用にも関与していない内部監査室なら独立性は保てます。 外部の者であることは、独立性の必須条件ではありません。
エ任意監査なので、監査の結論を監査報告書にまとめて経営者に報告しなくてもよい。
誤り。任意監査は「受けるかどうかを組織が決められる」という意味で、 手順を省いてよいという意味ではありません。任意監査でも、 監査基準に沿って結論を報告書にまとめて報告します。
理解を深めるために
任意監査は「誰に頼むか」を組織が選べる
家を買うときの住宅診断(ホームインスペクション)を思い浮かべてください。 受けるのは義務ではないので、知り合いの建築士に頼んでも、専門の会社に頼んでも構いません。 ただし、頼んだ以上は、診断した人がきちんと報告書を出します。
システム監査も同じ構図です。経済産業省の「システム監査基準」は、 システム監査を任意監査(法令等で義務付けられていない監査)と位置付けています。
なぜ内部でも外部でもよいのか
- 法令が実施者を定めていないので、内部監査室に任せるか外部に依頼するかは組織の判断
- 求められる独立性は「監査対象から独立していること」で、社外の者である必要はない
- 任意監査でも、監査基準に沿って監査を進め、結論を報告書にまとめて報告する
「誰が行うか(内部/外部)」と「義務か任意か(法定/任意)」は別々の軸です。 任意監査だからといって実施者が限られるわけでも、品質を落としてよいわけでもありません。
混同しやすい考え方との違い
| 考え方 | 正誤とその理由 |
|---|---|
| 内部でも外部でも成り立つ | 正しい。任意監査なので実施者は組織が選べる |
| 法定監査なので有資格の外部監査人に限る | 誤り。システム監査は原則として任意監査 |
| 社内の監査室では独立性が保てない | 誤り。監査対象から独立していれば社内でもよい |
| 任意監査なら報告書は不要 | 誤り。任意は「受けるかどうか」の話で、手順は省かない |
試験では「任意監査」を「手を抜いてよい監査」や「外部に頼めば法定になる」と 取り違えさせる選択肢が出ます。軸を分けて読みましょう。